・柚澤知幸(19歳)
光征の弟。年齢が離れているが両親は同じ。
間に生きてたら25歳になる子供がいたが、早産でだめだった。
(柳原の事故のショックによるもの。その後しばらく子供ができなかった)
現在、大学生(工学部)
ほとんど海外暮らしの両親、会社に泊まりこむことが多い光征・・・と、家に帰っても誰もいないからと、家に近寄らなくなった。友達のところを点々としている?
光征を「みつにい」、正輝を「まさにい」って呼んでいる。
遥は知幸が怪我しているところを助けた。
それから、月に1・2度程度、アパートに泊まりにくるようになった。
遥は「血統書付の野良猫」と呼んでいる。
肉体関係はなし。互いにひっついて寝る・・・ってことはある。
友人とランチに出たら、偶然トモと会う。
「遥さーん!」>元気いっぱいで声をかけてくる。
「トモ君?」
「うわっ。偶然! ランチ?」
「そう。トモ君、貴方、大学行かなくていいの?」
「今日はサボりー」
「いつもでしょ」
「手厳しいなぁ、遥さんは」>少しぶーたれます。
「あ、じゃあ、今晩、また行っていい?」
「・・・来てもいいけど。私、今日は夜勤だから、8時には出てくわよ?」
「えー、つまらない。来週なら日勤?」
「そうね」
「じゃあ、来週にしよ。また、メールするね!」
一緒にいた友人が呆然と見ている。>遥の男嫌いを知ってるから。
「何? 今の誰?」
「ん? トモ君」
「トモ君って・・・。遥、いつの間に彼氏できたの。しかもどう見ても年下でしょ?」
「トモ君は彼氏じゃないよ」
「じゃあ、何?」
「そうねぇ・・・。弟っていうか・・・。猫?」
「猫ぉ?」
「うん。血統書付の野良猫って感じかなぁ。ほら、野良猫って餌もらえるところがわかってて、ふらふらとそういうところを回ったりするでしょ? 食べるだけ食べて、またふいっていなくなっちゃう」
「野良猫ねぇ・・・。で、何で血統書付なの?」
「多分、育ちはいいと思う」
「そうなの?」
「うん。ドラマとかであるじゃない。両親が海外行ってて、子供は放っておかれる・・・みたいな。家に帰っても誰もいない・・・とか。淋しさ紛らすのに、友達の家とか泊まり歩いてるんじゃないかな」
「ああ、まぁ、ありがちね」
「言葉遣いとか、ちょっとした行動にそういうのって出るじゃない? きちんと躾けられてる。詳しくは知らないけど」
「詳しく知らないって・・・」
「私はあの子のこと、トモ君って名前と自称19歳ってことと、メルアドと電番くらいしか知らないし。トモ君だって、私のアパートとメルアドと電番と、たまに夜勤やってるってことくらいしか知らないんじゃないかな? お互いのこと、あんまり話さないし」
「・・・じゃ、何話てんのよ?」
「サーバのこととか?」
「サーバ・・・」
「あの子、システム工学部なんだって。だから、LSI回路とかLinuxとか・・・」
「・・・もういいわ」>そういえば、あんたも工学ね。
初めて会ったのは、1月で東京に初雪が降った日。
仕事が夜中までかかってしまって、終電で帰宅したらアパートの前で怪我して倒れてた。
雪も積もってきてたし、凍死しちゃうかと思って家に入れた。
部屋に連れてって、自力でシャワー浴びさせて、カップスープ飲ませて、手当てして寝かせた。
遥はホットカーペットの上に、毛布被って寝ていた。>枕はクッション
明け方に目を覚ましたトモが、「お布団、取っちゃってごめんなさい」と、
毛布に包んだまま、布団の中に運んで後ろから抱き締めるようにして寝ていた。
「怪我が治るまでね」とそのときは、1週間ほど、泊めた。
それから、時折、ふらっと泊まりにくるようになった。
私は野良猫に餌付けしてしまったようだ。
でも、性交を求めてくるわけでもなく、ただ、一緒にご飯を食べて、ころんと寝るだけ。
いつもは不眠症の遥だが、なぜか、トモと寝るとよく眠れる。>人肌のせい?
それに。あの屈託ない笑顔で「泊めて」って言われると、拒めない。
後々。遥が光征といるときに、ばったりと出くわしてしまって、兄弟だと知る。