■ ■ ■ モトカレ1
モトカレ
5月も半ばに突入し、ゴールデンウィークぼけもひと段落した。
春眠暁を覚えずとほざく同僚と、五月病に陥りそうな新入社員たちを尻目に、成宮一樹は数日後に迫ったプレゼンの資料作りに追われていた。この仕事が取れれば、社にとってもかなり大口の契約となる。先輩営業マンの岩見と二人、忙殺される日々が続いていた。
「成宮! メシ行こうぜ」
「んー? あと五分待ってくれ」
昼休みに入っているのはわかっていたが、きりのいいところまで仕上げてしまいたい。プレゼン用のスライドは既に完成していて、現在は実際の発表文をまとめている。ぶつぶつと文章を読上げながらキーボードを叩いていった。
「ったく。今からじゃ華むら満席だよ」
「悪い、悪い」
「そう思ってんなら、おごれよな?」
「・・・半額なら出してやる」
「マジ? やったね」
並んで歩くのは、同期入社の前野克幸だ。この軽い調子で初対面の人間ともすぐに打ち解ける。営業向きの人材だと思うのだが、実際の所属は開発チームだ。
華むらは我が社から徒歩3分のところにある小料理屋で、昼間は日替わり定食を出している。栄養が偏りがちな独身男性社員には人気のランチスポットだった。成宮が営業で外回りしていないときは、二人でここに食べにくるのが昼休みの日課になっていた。ただし、店舗はそんなに広くないため、出遅れると満席になってしまう。男は早食いが多いから、少し待てば座れる。
思ったとおり、華むらは満席になっていた。他へ行っても同じようなものだろう、とそのまま外で待つ。五月という季節柄、暑くも寒くもないので、苦にはならない。
5月も半ばに突入し、ゴールデンウィークぼけもひと段落した。
春眠暁を覚えずとほざく同僚と、五月病に陥りそうな新入社員たちを尻目に、成宮一樹は数日後に迫ったプレゼンの資料作りに追われていた。この仕事が取れれば、社にとってもかなり大口の契約となる。先輩営業マンの岩見と二人、忙殺される日々が続いていた。
「成宮! メシ行こうぜ」
「んー? あと五分待ってくれ」
昼休みに入っているのはわかっていたが、きりのいいところまで仕上げてしまいたい。プレゼン用のスライドは既に完成していて、現在は実際の発表文をまとめている。ぶつぶつと文章を読上げながらキーボードを叩いていった。
「ったく。今からじゃ華むら満席だよ」
「悪い、悪い」
「そう思ってんなら、おごれよな?」
「・・・半額なら出してやる」
「マジ? やったね」
並んで歩くのは、同期入社の前野克幸だ。この軽い調子で初対面の人間ともすぐに打ち解ける。営業向きの人材だと思うのだが、実際の所属は開発チームだ。
華むらは我が社から徒歩3分のところにある小料理屋で、昼間は日替わり定食を出している。栄養が偏りがちな独身男性社員には人気のランチスポットだった。成宮が営業で外回りしていないときは、二人でここに食べにくるのが昼休みの日課になっていた。ただし、店舗はそんなに広くないため、出遅れると満席になってしまう。男は早食いが多いから、少し待てば座れる。
思ったとおり、華むらは満席になっていた。他へ行っても同じようなものだろう、とそのまま外で待つ。五月という季節柄、暑くも寒くもないので、苦にはならない。
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