2008.01.31 Thursday

海空

■深空
・お兄ちゃんみたいだなぁ、という好意
・口数が少なくて、少し強引なところがあるけれど、真っ直ぐで尊敬できる先輩。(指導してもらっているから)
・女の影(死んだ奥さん)を見つけて、ちくりと心が痛む。(これって、嫉妬?)
・弱い面を見てしまって、「もしかして、無理してるんじゃ?」と心配になる
・褒めてもらえたり、頼ってもらえたりするようになって、嬉しい。(やった、片桐さんに褒めてもらえた!とか)
・あまり笑わない片桐が、ふわっと笑顔をくれて、舞い上がる。(私、好きなんだ・・・って)
・好きだと自覚したからこそ、忘年会のとき、酔っ払った片桐に抱かれるのが嫌だった。
 (誰かの代わりなんて、イヤ!って)

■片桐
・奥さんが死んでから、レスキューバカになっていた。
・レスキューのことしか考えてなくて、女なんて見てなかった。
・「人を好きになる資格はない、とか思っとるやろ?」(by 若)
・指導を命じられたこともあって、深空を見るようになった。幼い行動につい笑みが漏れてしまう。
・無理に大人ぶろうとしている姿に、放っておけなくなる。「無理しなくていい」
・深空の明るさに救われている自分に気づく。
・酔ったとき、理性がきかなくなって抱き締めてしまい、深空に拒否されて、「バカなことをした」と後悔する。




忘年会の後。二人とも気まずくなる。
そんな時、ホイストサブで乗り込んだら、第三隊だった。
仕事に徹して、片桐と深空は言葉も交わさなかった。
それがあまりにも不自然で、他の隊員たちに突っ込まれる。
「隊長となんかあった?」
「隊長にいじめられた?」

2008.01.31 Thursday

みくし

Book
先日の覚書は、「漫画」でしたので。
引き続き、「読みたい本」シリーズ(笑)

■阪急電車
有川さんの新刊。
あらすじだけ見た感じでは、「99人の最終列車」っぽい感じのストーリーだ。
有川さんにかかれば、ベタ甘ラブになってしまうようです。続き物ではないので、とりあえず図書館で借りれればいいかな。

■秋の牢獄
秋に出た恒川さんの新刊。
図書館ではいつも「貸し出し中」でさー。まだ読めてない。買っちまうかなぁ。

■ゴールデンスランパー
これも秋ごろに出た伊坂さんの新刊。
文庫になるまで待つと、いつになるだろう・・・(笑)

■チームバチスタ
文庫になったそうなので。読んでみるかな。

■少女には向かない職業
直木賞受賞ってことで、桜庭さんフェアやってた。
「女には向かない職業」をもじってるあたり、ちょっとこの作品が気になる。

あとは、とりあえず積読減らさないと(笑)

2008.01.30 Wednesday

こまごま裏設定。。。

■恋愛衝動5題
瞳を奪う
指先に愛情を
首筋に所有印
唇を汚して
全部愛した
http://chu.futene.net/31d/

28歳男性。
若気の「やりてー!」な衝動は終わってるけど、25歳〜30歳って、一番女を抱きたい頃なんだと思う。
それでいて、大人の余裕ぶってみたりして。火がついたら、かなり熱いと思う。

23歳女性。
特に深空ちゃんは、男性経験少ないからね。>ファザコン・ブラコンだったから。
未だに恥じらい感じちゃうのです。でも、ちらほらと母性も出てくる年齢。


■陽生(第2部・・・扱いかな)
深空の兄。
パパっこだったけど、両親が離婚する際、「母さんは俺が守る」と母親についていった。
離婚後も、ヘリに乗る父親を深空と二人で眺めていたりしてた。>だから、結構、会っていた。
深空は本当は、両親の子供でははい。父の妹の子供。(生んですぐに死んだとか)
勝手に引き取って育てると言ったので、それから母との仲がうまくいかなくなっていった。
深空はそのことを知らないまま育ってます。今も陽生を本当の兄と思っている。
深空11歳、陽生16歳の時に、父の事故死。その後、迷わず保大に入り、ヘリパイの道へ。
父と同じヘリパイになったことで、母とも喧嘩。ずっと、官舎とかで暮らしてる。
また、わざと東京以外の勤務地を選んでいる。>航空基地は全国13箇所だっけ?
第1管区(札幌)だったが、移動で羽田航空基地になった。>海保側にも、兄妹だと言ってないから、同じ職場になってしまう。
妹が自分の親友と付き合っているのを知って、フクザツな心境。

特救を海難現場に送る際、ヘリが制御不能になる。
まだ隊員たちが乗っていたが、「なんとかねじ伏せてるうちに、全員降りろ!」と命令する。
>乗ってるのは、若ちゃんの隊とかにしようか。
「機長も早く脱出してください!」「ハル! さっさと飛ばんか!」
若林も叫ぶけど、陽生も実は水に対して恐怖心を抱いているから、飛び降りれない。
羽田基地の通信室に片桐と深空も駆け込んでいる。
「・・・お兄ちゃん!」「深空、幸せになれよ」これを最後に、通信が途切れた。あとはノイズだけ。
「やだ・・・、お兄ちゃん! 返事してよ!」わーっと泣き崩れる。
特救が遺体を収容してくる。霊安室で、片桐に支えられて呆然としているところに、母親が入ってくる。
片桐の海保の制服を見て、キッと睨む。深空には気づかない。>子供の頃の顔しか知らないから。
「あなたたちがあの子を死なせたのよ!」「ヘリになんか乗せるから・・・」
片桐が言い返そうとしたけど、深空はその手をとって黙らせた。
葬儀にも片桐と若林が行ったけれど、追い返される。
深空は祖父母とともに行く。そこで、母が深空を見て驚く。
「あなたまでヘリに乗ってるの・・・?」「はい。私もお兄ちゃんも、父を尊敬してましたから」
「尊敬、ね・・・」「一度は結婚した人でしょう? 父のこと、そんな風に言わないでください」

「蓮さんは、死なないでね」「死なないために、特救になったんだ」「うん」


■蓮の過去・・・・は?
どの時点でバラすかですね。
知っているのは、若林と陽生と、当時の基地長くらい。
結婚してるらしいよ・・・という噂と、でも一人で住んでるし・・・という噂と。
尾ひれついて、離婚してるらしいとか、それも成田離婚!という話になっている。
片桐も「奥さんはー?」みたいな話になっても、笑って言葉を濁しているので、誰も真相を知らない。

深空と過ごす時間が増えて、少し表情も柔らかくなる。
それを見ていた若林が、「そろそろ自分を許してもええんちゃう?」とか言う。
深空にも、「あいつ、どう思う?」とか聞くし。若林って、結構世話女房?(笑)
「どこまで自分痛めつけるつもりやろか・・・」
ぽつりと呟いた若林の言葉が気になってしかたがない。
でも、それは自分に向かって言われた言葉ではなく、若林の独り言。これは聞き流しておくべきなのだろうか?

2008.01.30 Wednesday

プロット。

■海空
名前、ちょっと変えましょう。
・片桐仁 → 片桐 蓮(れん)呼名:れん
・藤堂翔 → 藤堂 陽生(はるき)呼名」:はる
・若林 → 若林 清高(きよたか)呼名:わか
三人は保大の同期。
片桐と若林は、特救に入ったのは同時だったが、隊長になったのが片桐が早い。今は、二人とも隊長。
藤堂は、ヘリパイ。今は第1管区(北海道)の航空基地勤務。深空の兄。(でも、片桐や若林は知らない)
深空も片桐たちが兄と仲がいいとはしらなかった。


■ぷろっと。
・深空が航空基地に配属になる。(大学出て、呉での講習を終えた後なので、7月くらい?)
・片桐と若林が練成を頼まれる。(若ちゃんは妻帯者なので、仕事以外ではほとんど顔をあわせない)
・ヘリを「音」で止める。
・リペ訓練開始。定置訓練ではできた。
 「・・・子供の頃から、ヘリに乗ってましたから」
・だが、海上でやると恐怖で足が竦んだ。
 「水が怖い?」「いえ・・・。そんなことは、ないはずなんですが・・・」
 でも、ヘリのハッチを開けて、外を覗こうとすると、がくがくと震える。
・ヘリを降りて、「ちょっと来い」と、横浜防災基地へ連れて行き、プール横に立たせる。
 やっぱり、水を覗き込んで吐きそうになる。
 「我慢しなくていい。楽になるなら、吐け」「・・・すみません」
 介抱されながら、父の事故のせいかもしれない・・・と、語る。
・横浜防災基地で水に慣れましょう!訓練開始。深空が溺れる。(人工呼吸とか入れてみる?)
 そのまま帰ろうとするが、外は雨。傘なし。
 「平気です。その辺のホテルにでも泊まりますから!」と、頑なに帰ろうとするけど、無理矢理自分のマンションにつれてくる。
・とりあえず、濡れた服を脱いでシャワー浴びろとと、バスルームに押し込む。
 タオルと、ぶかぶか過ぎるスウェットを渡す。
 交替で片桐がシャワーしている間に、ソファで眠ってしまっている。しょうがないので、ベッドに移し、自分がソファで寝る。
・翌朝、先に目を覚ましたのは深空の方。自分の服が洗濯されて、干されているのを見て真っ赤になる。
 まだ眠っている片桐に、ごめんなさいと手を合わせて、メモだけで出て行く。
・片桐はちょっと風邪っぽい。だが、当直の日なので出勤。
 出動はなかったが、無理をしたので熱が上がって、倒れそうになりながら翌朝帰宅。
・夕方、片桐との練習だったはずだが、来たのは若林。「あいつ、倒れたんや」と聞く。
 私のせいだ・・・と、責任を感じて、片桐のマンションに向かう。
 「・・・あの、風邪を引かれたと聞いて・・・」「移るから帰ろ」「でも、私のせいですし・・・」
 「体調管理は自分の責任だ。誰のせいでもない」「・・・せめて、夕飯だけ作らせてください」>で、お粥を。
・食べさせて、片付けし終えたら、片桐は眠っていた。
 寝顔を見ながら、少しどきどきしている自分がいる。
 「海の男に惚れると、辛いわよ」と言ったのは、海自の彼氏を持っている友達だったか。
 首を振って、変な想いを断ち切ると、深空はマンションを出た。
・夜中、片桐が目を覚ますと、額に乗っていたタオルが落ちた。そうか、夏堀が来たんだっけ。
 もう何年も、この部屋に女性を入れていなかった。本来ならば若い夫婦向けの2LDK。
 レスキュー中は即断即決の自分が、こんなところでうだうだと迷っているなんて知ったら、隊員たちは何と思うだろう。
・次の練習日。お互いにどこかぎこちなく。それでも、淡々と練習をしていた。
 若林が見ていて、深空が帰ろうとしているところを掴まえる。
 「・・・蓮のこと、どう思っとるん?」「素晴らしい潜水士だと思います」「そうやのうて・・・」「?」
 「男として、どうかって聞いとるんや」「え? そ、そんなっ! 邪まな感情は持ってません!」
・若くて、かっこよくて、優しくて。羽田航空基地にいても、隣の片桐の話は入ってくる。
 皆、気になってはいるが、自分たちとは世界が違う・・・とばかりに、窓から訓練中の姿を眺めているだけ。
 「いいよね、あの筋肉ーv」とか騒いでいる。
 それでいて、浮いた噂がないのは、特救が恋愛なんてしている場合ではない命の現場だからか。
 でも、深空の訓練につきあってくれたり、三隊の人たちと飲みに行ったりしている。
 あの広い部屋は、一人用のはずがない。遠距離恋愛?という言葉が浮かんだ。そして、ちくりと胸が痛んだ。
・気持ちを切替えて、練習に集中する。
 水にも慣れて、「再チャレンジさせてください」と、海上へ。「成功!」で、前橋にも褒めてもらえた。
・「ありがとうございました」と、礼を言いに行く。
・ちょうど、そんな頃に仮配属終了時期がやってきた。(9月末?)
 羽田航空基地内での深空に対する評価会議に、片桐と若林も呼ばれる。
 「実際、君らが一番影響を受けるわけだが。現場の意見を伺いたい」
 「整備士としても優秀ですし。ヘリを全く怖がらないのは、利点ですよ」
 「そやな。あとは経験値あげりゃ、問題ないやろ」
・航空整備士として、正式に羽田航空基地に配属となりました。ヘリにも同乗できるようになりました。
 その後、初めて片桐とヘリで一緒になったあと、お礼を言う。
 「〜自分達の安全を〜」な斜めった返事がくる。それも、片桐らしいと思ってしまう。
・11月末は片桐が一番嫌いな季節。(奥さんの命日がある)
 2日間の休みを取って、長野の奥さんの実家へ墓参り。今もそちらの両親からは罵声を浴びせられる。
 「海保続けてるのは、それで贖罪のつもりか?」みたいな。
 「お前が何人、人を助けようと、●は帰ってこない」とか。
・12月頭。ひよこ隊も入り、隊の編成が新しくなる。
 それと早めの忘年会を兼ねて、飲みに行くことになった。
 行った店に、航空基地の面々がいて、深空もその中にいた。気づいたら、なぜか隣になっていた。
 まあ、だからって何かあるわけでもないし。若林がやたらと酒を注いでくることにも気づかず、酔いつぶれる。
 「隊長が潰れるなんて、珍しい」こてっと横になって寝てしまう。
・これは、甘えてくれているんだろうか?
 判断がつけにくくて、「平気ですよー」と、本当はどきどきなのに笑って誤魔化す。
 「じゃ、あとよろしく!」「え?」ちょっと、よろしくって。女の私がこの人を運べるわけないじゃないですかっ!
・店に残されてしまう。だが片桐は起きない。>無理に起こそうとしないせいもある。
 訓練、厳しいもんね・・・と、思わず里心。ふわっと髪を撫でて、一人で赤くなる。
 しばらくして、どうしようもないので、やっぱり起こす。「・・・ああ、すまん」と、半分寝ぼけたまま店を出る。
 それを支えながら、マンションまで送る。
・「じゃあ、私はこれで」と、頭を下げた深空の腕を引き、玄関へと引き寄せる。
 そのまま後ろから深空を強く抱き締める。
 「・・・片桐さん? 酔ってらっしゃいます?」深空の静かな声で、はっと我に返る。
 お前は、今、誰を抱いた?
 緩めた腕の中で、くるりと深空が向きを変える。「他の人にはしないほうがいいですよ。本気にされちゃいますから」
 少し無理な笑顔を作って、深空は片桐の手を解いた。
 「今日はゆっくり眠ってください」言って、出て行こうとする深空をやはり引き止めてしまう。
 「・・・片桐さん?」「・・・いてくれないか」「・・・何言って・・・」「一人でいたくないんだ」
 5つも年下の女に、何を甘えている。自分の寂しさを癒すために、利用しようというのか?
 最低だな、俺は。
・深空も混乱していた。
 いつも自信満々で、誰からも頼られている片桐が、こんな弱みを見せるなんて。
 多分、自分じゃなくてもよかったんだろう。今、目の前にいる人ならば誰でもよかったのかもしれない。
 ここで断る方が優しさなのか。慰めてあげることが優しさなのか。
 恋愛経験の少ない深空には、どちらがいいのかなんてわからない。
 でも、迷子の子犬のような瞳の片桐を放っておけなかった。
 「・・・片桐さんが眠るまで、いてあげます」そう言って、中へ入った。
・クールな人だと言われている。時には非情と思える部分さえ感じる。
 でも、それだけの人だったら、誰も慕わない。
 練習を見てくれていたのもそうだ。「お前には無理だ」と決め付けることだってできたのだから。
 多分、中まで入った人のことは、大きく包むのかもしれない。
・ソファに座っていると、シャワーを終えた片桐がコーヒーのマグを2つ持って、隣に座った。
 「ミルクも砂糖もないけど、平気か?」「はい」
 こてっとさっきの居酒屋のように、深空によりかかってくる。「・・・お前、温かいな」そう言って寝入っていく。
 その体勢で寝られたら、動けないじゃない!
 いつの間にか、深空も片桐に寄りかかるようにして眠ってしまった。

2008.01.29 Tuesday

「海よりも、空よりも」サイト作るぞー!

「海よりも、空よりも」

■ここは、オリジナル小説を掲載しているサイトです。

■某とっきゅー漫画に影響され、海保さんが主役の小説を書いてみたい!ということで、始めたものです。
 ですが。二次創作ではありません。とっきゅーファンの方でこちらに迷い込んだ方は、BACKされたほうが賢明かと思います。
 同じくとっきゅーを舞台とした架空小説です。でもまぁ、某とっきゅー漫画に似ているような気がするのは、気のせいではありません。

以上、ご理解いただけましたら、下のバナーよりお入りください。

ばな。



■テンプレートどうするかね。
フレームにしたい。最近はインラインフレームが多いんだけど。
古いPCとか、厳しいよね。

http://academic.meganebu.com/~sozai/simple/001-010/010/index.html
テンプレどうしようかなー。FC2を使うなら、フレーム?>アドレス変えたいしね。。。
1つの長い話を書くにあたっては、ブログは辞めた方がいいよなー。

http://www.h5.dion.ne.jp/~torauma7/index020.htm
式神サイトに使ったものと同じなんだけど。これ、シンプルで好きだな。

http://www17.plala.or.jp/Pleasure_06/temp_past/past056/index.html
ここはFRAGILEのテンプレさん。
海とそらだし。こんな写真もいいね。あー、でも透過インラインフレームか。無理だな。

http://www17.plala.or.jp/Pleasure_06/temp_past/past058/index.html
これで写真を変えるか。

http://www17.plala.or.jp/Pleasure_06/temp_text/text002/f.html
小説にはいいのかな。

http://yuki.xii.jp/template/15/index.html
このサイトさん、シンプルかな。画像を空画像にして・・・とか。

http://www17.plala.or.jp/moo-mi/ecran/tmp/013/
このデザインも長編小説・・・にはいいかも。

http://academic.meganebu.com/~sozai/template/001-010/006/index.html
おわっ。これに決定かな???
写真だけ、ちょっと変えたいな。

■背景写真
http://kimini.her.jp/in.htm ここの写真と言葉が好きv
http://iruka3.jp/ 空と海・・・って写真がちらほら
http://skyruins.com/material/sora22.html スカッとこの写真の青がいいかな。
http://skyruins.com/material/ これだと腹黒サイトだよな(笑)
http://soratouminokane.sakura.ne.jp/umi51.html 舟を入れてみる。。。
http://soratouminokane.sakura.ne.jp/umi43.html 海と空の両方どり。
http://moca.chu.jp/umi/umi2.html 端っこが透過してないから、文字被りが心配だけど。
http://m-style.ouchi.to/contents/land-sea05.html 結構、雰囲気出る?

2008.01.28 Monday

仄恋十題

まるで咲きかけの花

01. 気が付けば君を探してる
02. あんな表情、知らない
03. 傍にいるだけで満足できたら
04. 掠めた指先
05. 少しだけ速まる鼓動
06. たったそれだけのこと、なのに
07. 答えを失くした間柄
08. 触れたくて、でも触れたくなくて
09. 秘めて隠して、押し殺して
10. 泣きたくなったら僕を呼んでね


http://uzu.egoism.jp/azurite/

2008.01.24 Thursday

「海よりも、空よりも」 02

 階段から下りてきたところで、片桐は基地長の速水に捕まった。
「片桐、ちょっと若林を呼んで一緒に部屋に来てくれ」
「あ、はい」
 当直明けで眠かったが、基地長の命令とあれば文句をつけるわけにもいかず、若林を探しに外へと出た。
 片桐と若林は、保大の同期で卒業後最初の配属先こそ分かれたが、特救に来たのも同じ年だった。同期同格ということで、周囲は何かと比べたりもするが、当人たちは苦楽を共に成長してきた同志として、気の合う仲間として過ごしてきた。
「若ー!」
 訓練の指揮をしている若林を見つけ、声をかける。
「何や」
「基地長が呼んでる」
「・・・そか。ほな、お前ら、このまま続けとれよ!」
 部下たちに指示を残して、片桐の隣まで駆けてくる。片桐よりも少し長身で、覗くように見下ろしてくる。
「基地長、何やて?」
「さあ? 呼んでこいって言われただけで用件まで聞いてない」
 並んで基地舎に戻る。
「・・・お前は帰らんのか?」
「俺も呼ばれてる」
「何や、お前もかい」
 特にミスを犯した覚えもない。考えたところで仕方がないし、行けばわかる。

「片桐、参りました」
「若林、参りました」
 基地長室に入ると、もう前橋たちは帰ったらしく速水一人だった。
「ああ、二人とも悪いね」
「いえ。何かありましたか?」
「さっき、君たちも会ったと思うけど」
 速水が言っているのは、前橋と来ていた夏堀のことだろう。
 ちょうど事務室に片桐しかいないときにやってきたので、前橋から「俺の部下だ」という話は聞いた。小柄な体を思い出す。海上保安庁でも男女の差別なく採用されるようにはなったが、今でもその数は三百人程度だ。まして、警備・救難の現場では、身体的な差が歴然と出てしまうため女性隊員はほとんどいない。内勤者がほとんどだろう。前橋は航空整備士だ。その前橋の部下なのだから彼女も整備士なのだろう。
「有資格者採用でとった子なんだが」
 速水はそれだけ言って、はーっと大きく息を吐いて椅子に沈み込んだ。
「整備士としては特級らしいが、海保の整備士としては、初心者だ。海保の整備士は実際にヘリに乗り込んで潜水士のサポートもできにゃならん」
 そこで、と速水は体を起こして机の上で手を組んだ。
「実務の中で修練させねばならん」
「・・・宮城に送ればええやん」
 通常、航空整備士を目指す者は、海上保安学校の卒業後に宮城分校での研修を受けることになる。
「まぁ、そう言うな」
「基地長の言いたいこと、わかったで。要は俺らに練習台になれっちゅうんやろ?」
「さすがだな、その通りだ!」
 当たっても嬉しくない。若林はそんな顔で憮然とした。
 整備士としての腕は認められているようで、それはそれで即戦力として使いたいということか。
 隣でぎゃーぎゃーと文句の言葉を喚いている若林を尻目に、片桐はふむと考え込む。
「技術系での採用ならば、整備士専門でいいんじゃないですか? 女性だというならなおさら」
「まあ、そうなんだが・・・」
 言葉を濁すあたり、まだ何か自分達には話されていない裏があるとみえる。
「・・・本人の希望だ」
 ノックもなしに入ってきた前橋が二人に言い放った。
「夏堀君は?」
「ガルフに熱中しとる」
 速水に答えてから、前橋は片桐と若林に一枚の紙を差し出した。覗き込むと、どうやらそれは深空の履歴書のコピーらしい。
 まずは出身大学に驚く。東大とは恐れ入った。というか、東大を出たような人間が、なぜ海保に?と疑問になる。
「うわっ。何や、この姉ちゃん」
 若林が目を留めたのは、保有資格の欄。
 航空整備士の国家資格には、一等と二等がある。保大の者でも在学中に二等を取るものがほとんどだが、深空はすでに一等整備士の資格を保有している。更に無線通信士、危険物取扱者など、見慣れた試験の名前も並んでいる。
「・・・資格マニア?」
「頭でっかちな姉ちゃんが、現場出たい言うんか?」
 若林の顔は渋い。特救の任務のほとんどが、生か死かギリギリを争うものだ。強靭な肉体と高いスキル、そして強固な精神力が要求される。いくら知識を詰め込んでも、現場でそれが役に立たなければ、持っていないのと同じなのだ。
『やっと海保に入れたんだし』
 さきほど、深空が呟いていた言葉が思い出される。
 以前から海保に入ることを望んでいたということか?
 それならば一番簡単な方法は、船だろう。海上保安官として巡視船に乗船している女性は多い。
 だが、深空は大学も航空宇宙システム工学科ときている。最初から航空整備士を目指していたとしか思えない。
 矛盾してる。
「こっちが門司での研修の成績だ」
 前橋が更にもう一枚の書類を出した。
 有資格者採用で採用された者は、その後、門司にある海上保安学校の分校で、海上保安官として業務の基礎を学ぶ。法律や柔道などの体術、航海に関するもの。
「嫌な姉ちゃんやなぁ・・・」
 若林が絶句するのも無理もない。ほとんどの科目が『優』ときている。小柄な体躯からは、か弱い女性という印象しか受けなかったが、どうやら違うらしい。
「上の連中もそこまでだと思ってなかったかもしれんが、拾いもんだと思わんか?」
「・・・育ててみるのも、悪くないかもしれませんね」
 本人の気合いも充分だった。
「ただ、ここでいいんですか?」
「日本一厳しいで」
 航空基地は羽田だけではなく、国内にいくつかある。特殊救難隊を抱える羽田基地が一番難易度の高い任務をこなす回数が多くなるのはいたしかたない。
「八王子から通える範囲がいいそうだ」
「自宅通勤ですか」
「祖父母しかいないそうでな。やっぱり、心配なんだろ」
 家族構成を見ると、確かに父母の名前がない。祖父母と深空の三人暮らしのようだ。
「・・・肝、据わっとるやん」
「若、お前そういうの好きだろ?」
「あかんで! 俺は直ちゃんだけやー!」
「誰もそういうこと言ってないだろ!」
 直ちゃんというのは、若林の妻・直美のことだ。高校時代から付き合っていたというラブラブカップルだ。数年前に結婚し、今では子供が二人いる。関西弁の軽いノリで、気軽に女の子にも声をかけているが、実際は子煩悩パパなのだ。
「基地長と前橋さんが育てたいっていうなら、協力します」
「ま、優秀な人材なら、なんぼおってもええしな」
 二人が答えると、速水と前橋がぱっと顔を輝かせた。

 そんな話があったものの、最初のうちは整備の仕事に慣れることから始めることとなった。
 格納庫の中をぱたぱたと走り回っている姿を見かける。青い制服はサイズがなかったのか、少々大きめで、袖など手首のところで何度も折り曲げられていた。海上保安官の募集要項の中に、身長制限がある。女子は150cmだったはずだが、深空がクリアしているのかぎりぎりのように見受けられる。
「片桐さん、おはようございます!」
 特殊救難隊の面々にも、顔を合わせれば元気な声で挨拶してくる。
 新人としての高感度も抜群で、若い隊員などは、ぼーっと見惚れてしまうのが問題といえば問題だ。もっとも、深空に非はないのだが。
「ああ、おはよう」
「今日はお天気もいいみたいですから、海難は無さそうですね」
「そうだな。俺たちの仕事が暇な方が、世間は幸せだってことだからな」
「高木さんなんかは、うずうずしてるんじゃないですか?」
「・・・困り者だよ、大輔も」
 高木大輔は、片桐の三隊に所属する隊員だ。明るいムードメーカーで、現場では頼もしいのだが、海難が起こるのを待ってしまうのが珠に瑕だ。
「三隊は、本日、リペリング訓練に出られるんですよね?」
「その予定だ」
 深空が振り返ると、そこには出番を待っているヘリコプターが鎮座している。整備はすでに終了していると見える。
 じゃあ、と一旦別れて基地に向かった。
「隊長、おはようございます」
 入口のドアのところで、ちょうど追いついてきたのは副隊長の森田幸司だった。六人からなる隊には、他、藤崎剛、高木大輔、水野一輝、城裕一郎がいる。このうち、城が救急救命士だ。
 片桐の三隊と、若林の四隊は、六隊の中で平均年齢が最も若い。自衛隊のメディックに倣って25歳以下の潜水士の中から選抜した隊員を同様に若い隊長がまとめている。特殊救難隊の中でも、まだ試行段階の隊である。三隊も片桐が29歳で、副隊長の森田が25歳の誕生日を迎えたばかりだった。
 経験不足による判断ミスなどが心配されたが、膨大な過去の海難事故のデータベースを元に様々な想定訓練を重ね、経験不足を補ってきた。訓練と現場は違うという声もあるが、実際の救助の中でも、他の隊に引けをとる部分はない。それ以上に若い柔軟な考え方で、突破口を見出す術も備えている。
「揃ってるな」
「はいっ!」
 着替えてミーティングルームに集まっていた隊員に、今日のブリーフィングを開始する。
 日々進歩する新しい技術をいち早く取り入れるのも、柔軟なこの隊の特徴のと言える。今日の訓練でも新技術をテスト予定になっていた。
「以上だ。では、09:30にエプロンに集合」
「はい!」
 声と共に五人は二階へと駆け上がっていった。装備一式を準備し、外へと出る。
 片桐が外へ出ると、今日、機長を務める長谷川が手を挙げた。
「今日は上空も気流が安定しています」
「・・・そうですか。優しい訓練になりそうだな」
「特救さんは厳しい場面での任務ばかりですからね。少し、振っていきますか?」
「いや、今日は新しいことを試す予定なので。最初はそのままで。後半、様子をみていきましょう」
「了解」
 長谷川はこの道二十年のベテラン機長だ。片桐が特救に来た頃から共に作業してきた。
「じゃあ、行きますか」
 ローターが回され、皆がヘリに乗り込む。動き出そうとしていたところで、慌てた深空が行く手を遮った。何か必死に叫んでいるが、ローター音が邪魔をして聞き取れない。
 一緒に乗り込んでいた整備士の西岡が飛び降りて行く。片桐も何事かと後を追った。
「飛んじゃ、駄目です!」
「はあ? 何言ってるんだ、夏堀」
「おかしいんです、このヘリ。だから、飛ばさないでください」
「何だと! それは、俺の整備に文句をつけるってことか!」
 西岡がカッとなって深空に掴みかかる。体の小さな深空は胸倉をつかまれただけで、宙に浮きそうになっている。
 深空とて馬鹿ではない。それが行く手に仁王立ちしてまで止めたということは、それなりの理由があるのではないか。
「まぁまぁ、西岡さんも落ち着いて」
 片桐は二人の間に入り、深空を掴んでいる西岡の手首を握った。片岡の握力は軽く握って70kgだ。ぐっと力を込めると西岡はうっと顔をしかめて手を離した。力尽くというのはあまりやりたくないが、女性相手に力でいくのもいただけない。
「で? どこがおかしいんだ。止めるだけの理由があるんだろうな、夏堀。言ってみろ」
「は、はい」
 片桐の口調に深空はびくんと肩を震わせた。
 まずい。俺が怖がらせてどうする。
 自分の部下を指導するときのようになってしまった。関西弁でおちゃらけたように酷な命令を下す若林と対極にあると言われる片桐の冷静さは、年下の隊員からすれば冷酷とも称される。感情を消した瞳で睨まれれば竦ませるのも簡単だ。
「あの、音が・・・」
「音?」
「はい。ローター音が、いつもと違うんです」
 きっぱりと言い切る深空に、片桐は西岡と顔を見合わせてから、ヘリのローターを見上げた。いつもと同じに聞こえる。
「何もおかしくないが?」
「いいえ! おかしいんです! 絶対、変です!」
 あまりの剣幕にたじろいでしまい、機長の長谷川も呼ぶ。西岡は格納庫へ向かって、前橋を呼んできた。
 三隊の隊員もヘリを降りて、全員でローター音に耳を傾ける。だが、深空が言うような異常な音は感じられない。
「・・・でも・・・」
 この場にいる全員がNOと言っているのに、深空は自分の意見を曲げない。我が強いのか、それとも―――。
「わかった。今日はリペは中止だ」
 片桐が決断を下すと、部下達からは、えーっと声があがったが、気にせず深空に向き合う。
「夏堀、それだけ言ったんだ。本当に異常がないか、チェックしろ」
「は、はいっ!」
「西岡さん、前橋さん。お願いします」
「すまん、片桐」
「いえ。夏堀も新隊員です。今日は、彼女の訓練ということで」
 もしも、本当に異常があり、それに気づかず飛ばしていたとしたら。ここにいる全員が帰らぬ人となるかもしれないのだ。
 特救から死者を出してたまるか。しかも、訓練中の事故などもってのほかだ。そのためならば、訓練の一回くらい、棒に振っても何ら支障はない。
 この中にいる誰もが気づかないような異常が、深空にはわかるというのか。
 一等整備士の腕とやらを確かめさせてもらう、いい機会だ。
 ヘリコプターは、一般的にメイン・ローターとテール・ローターの2つが回転することで飛行している。エンジンがメイン・ローターを回すと、揚力を得て機体は浮上する。だが、それだけではトルク効果が発生し、メイン・ローターの回転方向と逆方向へ機体が回転してしまう。それを抑える役割をするのがテール・ローターだ。これら2つのローターの角度を操作することで、航空機にはない複雑な動きができる。
 ローターに異常が発生したからといって、即・墜落には繋がらないそうだが、制御不能に陥ることには違いない。
 今日は三隊は第二番目の待機部隊だ。隊員たちには横浜の防災基地での訓練へと変更を言い渡し移動させる。片桐も向かってもよかったのだが、自分が深空に整備を言い渡した都合上、立ち会わないわけにはいかないだろう。隊の訓練は副隊長に任せて、片桐も格納庫へと向かった。



 格納庫では、前橋と西岡も手伝ってヘリコプター上部のローターをチェックしているところだった。一枚一枚のブレードの取付角度、締め具合など。それらがひとつずつチェックされていく。もちろん、これらのチェックは日々の整備点検項目にもなっているはずで、事故へと繋がる可能性の高い部分を、西岡が見落とすとも思えない。
「・・・トラッキングがずれてないか?」
「え? そんなはずは・・・」
 低回転では異常は見られないが、ローターの回転をあげて行くと僅かだがブレードがばたつく感じがある。そこまで行けば、片岡でも音の違いがわかる。
「お前、低回転の時でも音に違いがあるとわかったのか?」
「あ、はい。多分、変な回転をしていたから共振を起こしていたんだと思いますけど・・・」
 片桐は前橋と顔を見合わせた。
 耳がいい、というそれだけなのだろうか。
「とりあえず、ブレード交換だ」
「はい」
 取付に問題は見られないのだから、考えられる原因はブレード自体だ。
 新品のブレードに交換し、再度、チェックを行う。
 すると、低回転でも深空は納得の顔をした。先ほどと同じように回転数を上げていっても異常は見受けられなかった。
 前橋はうーんと唸りながら、取り外したブレードを見比べていた。損傷などは見受けられない。
「ブレードの硬性に差があったんだろう」
「・・・よくあることなんですか?」
「人間が作るもんだからな。全く同じものなんて、二つとできんよ。それを調整するのも、整備士の腕さ」
 前橋はそう言って笑うが、それはかなり恐ろしいことではないのか。
 機械には一〇〇パーセントということはない。前橋が言うように、あとはどれだけ一〇〇パーセントに近づけることができるかなのだ。
 それは、自分達潜水士も同じ。一人でも多くの人を助けるために、少しでも技術の向上を目指すのだ。
 人材は集めようと思って集まるものではない。
 高いスキルを持ったものが必ずしも海保に入るわけがない。パイロットや航空整備士であれば、大手の航空会社に流れるのが当たり前だろうし、体力に自信がある人間であれば、警察官や自衛隊に流れたりもする。
 限られた人と物の中から、最良を選び出し、纏め上げていくのが隊長になった自分の使命であると思っているし、そうしてきたつもりだ。
 救える命は、ひとつでも多く救いたい。
 レスキューを志すものならば誰しも抱くその思いを、片桐は改めて思い出していた。

「なっちゃん、すごかったな」
「さすが、俺たちの整備士!」
「ちょっと心配だったけどさ、あれならいいんじゃない?」
 三隊内では、深空の株がかなり上がったようで、片桐が合流すると深空の話題に花が咲いていた。
 格納庫での再整備の結果を話すと、それはさらに盛り上がりをみせていた。
 特殊救難隊に入ってくる潜水士は、海でのレスキューにかけては一級なのだが、空に慄くものが時折いる。ヘリからのリペリング降下で何度も尻込みする隊員も多い。特救が出動する場面は海も荒れているが、空も荒れている。普通に飛行機やヘリに乗るのとはわけが違う。
 だが、そんな荒れた空でも、ホバリングして機体を安定させる機長には、誰もが一目を置いている。
 そして、ヘリに同乗する整備士も、場面ごとで適切な指示を出してくれるからこそ、隊員はレスキューに集中することができる。
 プロ同士がそれぞれの仕事をきっちりとこなすことで、特救のレスキューが成り立っているのだ。
 最初は、女性の整備士ということで、不満が上がったのは事実だ。
 まだ、同乗しての訓練は開始されていないが、彼女の整備士としての腕前は、彼女自身が証明してみせた。
 小柄な体格であるから、片桐は力不足を心配していたが、大きな荷物を持って走り回っている様子を見ると、それは杞憂であるようだ。自らヘリへの同乗を志願するくらいなのだから、どんな海保の航空整備士が機上でどんな作業をするのかも知っているのだろう。
「お前等も遅れを取るなよ」
 檄を飛ばすと、「はいっ!」と気合いに満ちた声が返ってきた。
 突っ走るタイプばかり集めてしまったせいか、他の隊長からは煩がられている隊になっている。
 だが、この隊はこれでいい。
 運動能力のピークは一般的に二十五歳前後と言われている。能力の低下を自覚すると、人はそれに恐れを抱き、無理をしないようになってしまう。また、家庭を持ち守るものができてしまうと、危険を冒してまでレスキューに挑む心が萎えてしまうのだ。
 だからこそ、この三隊と若林が隊長を務める四隊は、わざと二十五歳以下の隊員を集めている。血気盛んで負けん気が強く、向こう見ず。危なっかしい部分はあるが、上手くコントロールしてやれば、恐怖を跳ね除け、高みを目指す最強集団になる。
 本来ならば、一年ごとに六つある隊のメンバーを入れ替えているが、試験的に作られた三隊と四隊は、あと一年、このままのメンバーで進めることが基地長と他の隊長たちとの間で合意されている。一人一人のスキルもだが、レスキューは一人でできるものではない。隊員同士の連携、チームワークも試されているのだ。
 さらには、自分と若林の隊長としての能力も。
 息つく間もない命の現場に、いつまで自分は身を置くのだろう。
 ふと考えないでもないが、この道を進むと決めたのは、間違いなく自分である。
 頭を振って雑念を追い払うと、片桐は手にしたクリップボードに今日の訓練成果を記入しはじめた。




http://www.pilot-license.com/stuff/stuff-seibi.htm
http://www.pilot-license.com/seibi/seibi-img/sagisaka.pdf
http://www12.plala.or.jp/yoshihara/epconcept/trouble/trouble.htm#trk
http://www.sozaishu.net/txt/archives/2007/02/post_32.html

2008.01.24 Thursday

「海よりも、空よりも」 001

「うわー、女の子がいるー!」
 九時の当直交替の時間にあわせて、海上保安庁羽田特殊救難基地に数名の隊員が駆け込んできた。
 事務室内の椅子にちょこんと座る女性を見つけて、口々に声を上げる。特殊救難隊は全員が男という所帯で、若い女性が来るような場所ではない。隣接する羽田航空基地には数名の女性がいるが、彼女たちとてこの建物にはほとんど足を踏み入れない。
 珍獣でも見るような好奇の視線にさらされて、彼女・夏堀深空は小さな体を更に縮こませた。
「こら、驚かせてどうする」
 たしなめたのは、昨晩から当直で基地に詰めていた特殊救難隊第三隊隊長の片桐仁だった。
「あ、片桐隊長、おはようございます!」
 軍隊式にきっちり四十五度で頭を下げる。
「おはよう。説明は後だ。早く着替えてこい」
「はいっ」
 歯切れよく返事をして、入ってきた隊員は奥の部屋へと消えていった。
「悪いね。若い女の子が珍しくて」
「いえ」
「基地長ももうすぐ来ると思うんだけど・・・」
「速水はあてにならんからなー」
 揶揄するように声をかけたのは、深空と並んで椅子に座ってお茶を飲んでいた前橋だった。前橋は羽田航空基地所属のベテラン航空整備士で、深空の指導係だった。
「重役出勤やなぁ。さすが基地長ともなると、違うのぉ」
「前橋さん、お手柔らかに」
 片桐が苦笑しながら前橋の牽制をかわした。
 隊長さんなんだ・・・。
 深空は目の前にいる片桐を見上げた。特殊救難隊が海上保安庁内のレスキューにおける精鋭だという話は前橋から聞いている。六人ずつ六隊にわかれているということだったから、隊長は六人か。気さくにお茶を淹れてくれたが、本当はすごい人なのかもしれない。レスキュー隊と言われて、ムキムキなボディビルダーの集団を想像していたのだが、片桐はかなりの細身だ。もちろん、Tシャツから覗いている腕には鍛えられた筋肉が見えている。
 そうこうするうちに、ようやく基地長の速水が入ってきて、前橋と深空は基地長室へと場所を変えた。
 自己紹介と互いの挨拶を終えると、深空は用なしになってしまう。前橋と速水は何か深刻な話題をしたいらしく、「事務室で待っていてくれ」と言われてしまった。あそこに一人で行くのか。集まっていた隊員たちを思い浮かべて、ふうっと息をつく。だが、出ろと言われたのだから、いつまでも基地長室にいるわけにもいかない。
「失礼しました」
 頭を下げてドアから出ると、もうそこは隊員が集まっている事務室で、振り返った深空を全員が注視していた。
 ここは挨拶をしておくほうがいいのかな?
 深空は今度は事務室内に向かって頭を下げた。
「羽田航空基地に配属となりました、夏堀と申します。以後、よろしくお願いします」
 おおおーっとどよめきが走る。
「なっちゃんかー」
「よろしくー!」
 ちょっと。もう、なっちゃん呼ばわりですか?
 顔を上げると、こちらを見ている隊員は案外、若い人が多い。体力勝負のレスキュー隊ならば、若さか。オレンジ色のレンジャー服を着ている中には、少し年のいったのもいる。先ほどの片桐がちょうど中間になるようだ。
「え? でも、隣の人が配属の挨拶に来るなんて、珍しいよな?」
「珍しいっていうか、ないだろ。俺たちだって挨拶に行ったのは、三管本庁だけだったし」
「前橋さんが一緒ってことは、整備士?」
 自分達の中での会話なのか、深空への質問なのか。どちらとも取れなくて黙ったままでいたが、問題なく会話は続いていく。
「女の子で整備士かー。カッコいい」
「えー? じゃあ、一緒にヘリに乗ったりするわけだ!」
 止まらない会話を遮るように、パンッと音が響いた。
「お前等、いつまでくっちゃべっとるんや!」
「若林隊長っ!」
「さっさと外、出んか!」
「わ、はいっ!」
 追い立てられるようにして、どかどかと隊員たちが出て行く。
「えろう、すまんかったな」
「あ、いえ」
 若林と呼ばれたその人は、最後にぺこっと頭を下げて部屋から出て行った。
 台風一過。
 ふーっと胸を撫で下ろすと、専門官の伊藤が空いた椅子に座っているよう声をかけてくれた。
 今、出て行ったのが交替で来た四隊らしい。三隊の人たちは、着替えているのか帰ったのか、部屋にはいなかった。
 皆が仕事をしているので、どうも落ち着かない。
「あの、見学させていただいてよろしいですか?」
「ん? ああ、いいけど。面白いものはないよ」
「いえ、面白いとかそういうんじゃなくて・・・」
 真面目な顔で問いただすと、向こうも冗談だったのか、はははっと笑われた。
「所々に取り扱い注意のものがあるから、不用意に触れなければ、見てていいよ」
「ありがとうございます」
 深空が配属となった羽田航空基地には、ヘリや小型ジェット機の格納庫があるため、併せるとかなりの大きさになっていた。だが、特殊救難基地は、えっと思ってしまうくらいに小さな建物だった。ローテーションでの業務のため、隊員全員が一度に集うことがないからか、事務所の中には最低限の机しかない。それ以外の部屋には、所狭しと様々な器具が置かれていた。そのほとんどが海で使うものであるため、航空機専門の深空には見たこともないものが多かった。
「そうよね、海保だもんね」
 一人で納得して、見つけた階段で二階へと上った。そこは更に知らない器具があって、未知の空間のように思えた。
 分野が違うということは、こういうことだ。その両方を覚えなきゃいけないのか。
 今更ながらに、自分が選んだ道がとてつもない悪路に思える。
「やっとスタートに立ったんだ。気合い、気合いっ!」
 誰もいないと思って一人で気合いを入れていたら、ぶっと後ろで吹き出す声が聞こえた。
 え。
 そうっと振り向くと、荷物を抱えた片桐が立っていた。使っていた機材を返しにきたらしい。
「いいね、若くて」
 かーっと頬が熱くなる。見られた、聞かれたっ!
 恥ずかしくて顔が上げられない。
 部屋の隅で俯いて固まっていると、片桐は気にせずに機材を片付けはじめた。がたごとと音が聞こえて、最後に足音が深空の正面で止まった。
「這い上がってくるの、待ってるぞ」
 ぽんっと頭に手が置かれて、くしゃくしゃと髪を掻き乱していく。
 力強くて、それでいて優しくて。
 うわぁ・・・。お父さんみたい・・・。
 感傷に浸っている間に足音は遠ざかり、深空が顔を上げると、もう片桐の姿はなかった。
 しばらくぼうっとしていると、階下から「夏堀ー!」と呼ぶ怒鳴り声が聞こえて、深空は慌てて階段を駆け下りていった。

2008.01.23 Wednesday

「海よりも、空よりも」ぷろっと。

※苗字はやっぱり、「夏堀」にしましょう。>「なっちゃん」を愛称にしたい。

・4月:羽田航空基地に配属(研修中は仮配属扱い)。特殊救難隊に挨拶にいく。
    基地長がいなくて、ちょうど待機していた片桐が対応する。

・5月:前橋について、整備を行うようになる。
    リペ訓練に出ようとしているヘリのローター音がおかしいことに気づいて、慌てて止める。
    訓練に出ようとしていたのは、片桐たち第三隊。
    「この機体は飛ばさないでください!」「それは俺の整備に文句をつけるってことか!」>先輩が切れる
    片桐がもう一人の整備士を抑え、「どこがおかしいんだ。止めるだけの理由があるんだろう? 言ってみろ」と助け舟。
    「・・・あの、音が」「音?」「ローターの音がいつもと違ってるんです」>他の誰もわからない。
    「何もおかしくないだろ!」「いえ、おかしいです! 絶対、変です!」
    「夏堀も新隊員だからな。とりあえず今日は、リペは中止だ。夏堀の訓練といこう」
    実際にローターを止めて点検をすると、極小さな異常がみつかる。
    「・・・耳がいいのか?」「さあ?」

・6月:定置訓練で、ホイスト訓練開始。思ったより力があるなと、合格点を貰う。
    だが、その後、海上に出た時は、機外に出れなかった。
    がくがくと震えてしまって、身動きが取れない。
    「・・・高所恐怖症ってわけでもないだろ? 定置訓練だとできたんだから」
    「・・・じゃあ、水?」「泳げない、とか?」>はい、泳げません
    横浜の訓練施設で、水に慣れるように練習をはじめる。片桐が練習を見てくれる。
    プールに入るところで、もう駄目で、吐きそうになって口を押さえる。
    「我慢するな、吐いたほうが楽になる」と、介抱してくれる。
    「・・・すみません」「謝る必要はない。夏堀が悪いわけじゃないんだから」
    ぼろぼろと泣き出して、「多分、原因は私なんです」と、父の事故死の話を漏らす。
    泣きつかれて寝てしまい、片桐は困って自宅に連れて行って寝かせる。

・7月:新人研修もそろそろ終わる。水恐怖症のことで、今後どうするか議題になる。
    前橋は「整備士としての腕はぴかいちなんだから、捨てるのは惜しい。整備専門にしたら?」と提案。
    一番、ヘリに乗るからということで、特救の隊長たちも参加している。
    片桐も、「確かにあの腕を捨てるのは、惜しいです」とフォロー。残れることになる。
    「ありがとうございます」
    「いや、俺たちが救助に出れるのは、バックアップあってのことだ。
    優秀な人材を捨てることは、自分達の安全を捨てることになる」
    正式配属となり、航空整備士として業務に就く。
    片桐がランニングしながら基地に来ると、隣の格納庫でぱたぱたと走り回っている姿を見かる。
    どうしても、子供が紛れ込んでいるように見えて、笑みが漏れてしまう。
    ある任務の時、一緒になった機長が、「最近、ヘリの調子が良い」と大喜びしていた。

・8月:今でも時折、横浜の防災訓練施設で水に慣れようと練習している。
    片桐はそれを見てしまったし、理由を聞いているので放っておけず付き添う。
    「・・・モノレールで海の上を通ったりするのは平気なのか?」「・・・はい」「海岸とか埠頭は?」「平気、かな?」
    「今度、巡視船に乗せてもらえ」「え? いいんですか?」「研修の一環だ。前橋さんに頼んでみろ」「はい」

・9月:溺れて、片桐に人工呼吸で助けられる。>お互い変に意識するようになる
    どれだけ失敗しても助けてくれる片桐に、頼もしさというか、安心感を覚えるようになる。
    いつも練習につきあってくれるし。言葉は少ないけど、ちゃんと見ていてくれているし。
    (この辺から、深空は「好き」だと自覚します)

・10月:「やらせてください!」と、前橋にお願い。ホイストに再トライ。
    天気が悪くて、少し揺れていたが、「お父さんは、ヘリはそう簡単に落ちない」と言っていた。
    それに、落ちないように自分達整備士がいるんじゃないか!と。
    見事、ホイストを務め、「よし、合格!」と、前橋にも認められる。

・11月:ホイストサブとして何度か出動していて、初めて片桐と一緒になる。
    「よかったな」と褒めてもらって、「片桐隊長のおかげです!」とお礼を言えた。

・12月:忘年会・・・という時。羽田航空基地の面々で飲んでいたら、同じ店に特救の人たちがくる。
    「片桐、飲みすぎじゃね?」「隊長が珍しいな」とか言ってるうちに、こてっと深空の膝枕(肩?)で寝ちゃう。
    「うわっ。隊長ずるっ!」「なっちゃん、重いでしょ。投げちゃっていいから!」
    「え、あ。でも。疲れてるんだし・・・」(というか、嬉しいのでそのままv)思わず頭撫でたり(笑)
    目を覚ました片桐が驚く。「悪かった」「いえ」
    奥さんが死んでから、熟睡なんてずっとできなかったのに。今、僅かな時間だけど熟睡していた。
    (この辺から片桐の気持ちも変化してくる)

・1月:いつもめげずに、笑顔を絶やさない。
    人の生き死にを預かる特救だけに、その笑顔に片桐も救われる。
    通勤途中に一緒になる。「今日、寒いですねー」「ああ、北は荒れてるだろう」>しばらく天気の話とか。
    (一応、深空は気象予報士の資格も持っている設定。履歴書には書いているけど、公言はしてない)
    「あ、これ、片桐さんにもあげます」>カイロを渡して、航空部の方へ駆けていく。
    もらったカイロを片桐は呆然と見つめてみる。>トレーニングするから暑くなるのになぁ・・・って。
    でも、その優しさがいいんだろうなー・・・とか。>ちょっとラブくなろうよ、片桐さん。
    30男が何やってんだ?みたいな葛藤とか。

・2月:さすがに、公務員じゃバレンタインに義理チョコ渡したりしない・・・よね?
    でも、片桐さんにあげたいなーvvvとか、考えている。

2008.01.22 Tuesday

海保話。「海よりも、空よりも」(仮)

海空
・深空
 身長149cm。体重43kg。手足も小さい。23歳。
 軍靴は特注(笑)>サイズ21cm
 父がヘリパイ。子供の頃からいつも一緒に飛行場に行っていたので、音を覚えてしまっている。
 また、絶対音感があるため、少しの音の違いもわかる。>「会話がドレミ」のネタを使わせてもらおう。
 実家は、府中飛行場の近く。よく、羽田近くの「つばさ公園」に父と行っていたのえ、今もたまに行く。
 11歳の時、父の操縦するヘリが事故。
 最初、会社は父の過失と言っていたが、海保が機体と遺体を発見。
 操縦ミスなどであれば、機体は海に叩きつけられてぼろぼろになっているはず。
 また、遺体も爆発などによる損傷があるはず。
 だが、見つかったのは、どちらもきれいなものだった。そして、父の死因は水死。
 着水して沈んだと思われる。それで、ようやく父の汚名が晴らされた。
 引き上げた機体を調べたら、整備不良が見つかった。
 また、会社側が整備士の人数を渋っていたり・・・と、不正が見つかり倒産。
 「同じ過ちを繰り返さない」と、整備士を目指す。
 頭はいいので、大学時代に一級整備士の資格を取っている。また、気象予報士の資格も持っている。
 (天候が影響しやすいので、そちらも学んだ)
 海保だと体力も必要なので、それなりに鍛えてはいるが、体が小さいのでそれだけはどうしようもない。
 だが、逆に大型の旅客機などだと、狭いところに入れるので、重宝される。
 大学時代につきあった彼氏からDV気味の扱いを受けたので、Hとかは今でも怖がっている。
 自分は自覚がなかったが、プールや海などの大量の水を見ると、足が竦む。>ちょっとトラウマ

・片桐
 身長178cm。体重66kg。28歳。
 潜水士になってすぐの頃に、一度結婚している。現在、バツイチ。
 成田離婚・・・と、噂になっているが、本当は新婚旅行中に妻が事故死。
 しかもダイビング中の事故だったので、自分が潜水士なのに助けられなかったことを悔やんでいる。
 その後悔から、特救を目指した。
 元々、別の管区(第5・神戸)にいたので、現在の特救にそのことを知っている人間はいない。
 バツイチということを隠しているつもりはないが、成田離婚の噂があるので、誰も問いただそうとしない。
 冷静な判断を下すので有名だが、人命救助のために、かなりの無茶をすることもしばしば。
 深空の耳の良さにいち早く気づき、擁護する。
 水に慣れるようにと、ホイスト訓練を指導しているうちに、深空に好意をもちはじめている。




■海保の航空整備士になるには?
海上保安学校在学中に実施される選抜試験に合格すると、卒業後、宮城分校において一定期間研修を受け、その後整備員として各航空基地に配属されます。

らしいので。
大学工学部航空宇宙工学科(4年)→保校航空課程(1年)→宮城分校
大学行かずに、最初から保校でいいのか?
東大工学部出で、海保受けてきた・・・ってので。ちょっと特例扱いっぽくいけばいいかも。
女の子だし、上層部も困ってる・・・みたいな。うん、そんな感じで。

視点は、深空・片桐の2視点で。
海保話だけど、図書館っぽくラブが主体?
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