2007.01.14 Sunday

紺碧 プロット

コナン→新一へと戻った後のこと。
テーマは「二律背反」(相等しい妥当性をもつ前提に立った2つの原理や推論がお互いに矛盾しあうこと)

「好きなんやろ? せやったら、なんで・・・」
「・・・好き、だからだ」



姿も戻ったし。組織もつぶした。
だが・・・。
解毒剤の副作用で、この先、まだどうなるか完全には保障がない。
哀も志保の体に戻って、博士共々、アメリカに渡り研究を続けている。

新一にもロスへと渡るよう言うけれど。
「蘭のそばにいたい」と日本に残ることを決めた。
近くにいないと、いざという時、対処が出来ないという志保に、「だったら、お前が日本に残れ」って。
でも、志保も「それは出来ない」と決裂。
新一は工藤邸に残り、学校へも通いだした。
でも、蘭には告白しておらず。
気まずい空気が流れていた。



00:曇った空

01:掴んだはずの未来
 場面:病室。蘭が眠っている。
 状況:組織を潰す最終決戦で、蘭は人質にされ、足に怪我をしてしまった。(傷が残るほどのものではない)
    今は鎮痛剤を打っていて、眠っている。新一が横に付き添っていた。
    そこに小五郎と英理がくる。廊下に出て話す。
    病状を説明すると共に、新一は覚悟を決める。
    「これ以上、蘭を巻き込むことはしません」と。
    今回の組織は潰したが、同じような地下組織は世界中に五万とある。
    この先、探偵をしていくならば、蘭はいつまで行っても『新一の弱点』であり続けることになる。
    守れない自信がないわけではないけれど。危険な状況に置くわけにはいかない。
    だから、サヨウナラだ。
    新一は眠る蘭にそっと口付けをして、病室を後にした。
    工藤新一に戻れば、組織を壊滅させれば、全てが元に戻ると思っていたけれど。
    思い描いていた未来は、遠くに霞んでしまっていて。結局、掴み取ることなど出来なかった。

02:紡ぎだした別れの言葉
 場面:蘭の退院後。工藤邸。
 状況:退院した蘭の初登校。新一の家によって、一緒に学校へ行こうと誘う。
    「・・・もう、ここへは来るな」「何、言ってるの?」
    「怪我をして、懲りただろ? もう、オレには近付かないほうがいいぜ?」「私の気持ち、知ってるくせに」
    「さぁ? 何のことだ?」
    もう、あの頃には戻れないのだと知ってしまったから。
    君には冷たく接するしかない。
    泣き顔を見たくはなかったけれど。今ならまだ傷は浅い。
    きちんと言わなければならない。「二度と、オレに関わるな」と。

03:塞がらない傷口
 場面:蘭が去った後。
 状況:出かけようとしていたところに電話がかかってくる。
    電話に出ると、それは志保からだった。(志保は現在、アメリカにいる)
    「体調はどう?」「まぁ、そこそこってところかな」「無理だけはしないでね」
    解毒剤の副作用で、2人とも身体に変調をきたしている。この先、どうなるのかもわからない。
    志保はジョディの助言もあって、研究のためにアメリカに渡っている。
    「・・・蘭さんが羨ましいわ」

04:背負った罪
 場面:警視庁。組織の事件の残務処理。
 状況:学校が終わる時間を見計らってかかってきた電話は、目暮からのもの。
    また証言を取りたいということで、高木が迎えに来ると言う。
    覆面パトカーで警視庁に出向く。
    「何度もすまんね、工藤君」「いいえ。元はと言えば僕が引き起こした事件ですから」
    逮捕された者、命を落とした者、まだ逃亡中の者。それぞれに対して、新一には最後まで見届ける責任がある。
    自分の未熟さから、引き伸ばしてしまっていた事件なのだから。

05:冷たい空を見上げて
 場面:工藤邸。
 状況:週末、平次が押しかけてきている。
    新一は自分からは何も言わなかったが、蘭→和葉→平次と伝言リレーで事と次第を聞いてきた。
    「是が非でも元の姿を取り戻したんは、姉ちゃんのためやなかったんか?」
    「別に。誰のためでもない。オレ自身のためだ」>平次にも本心は言わない。
    「・・・姉ちゃんのこと、好きやったんちゃうんか?」「・・・好きだからだ」
    冷たい空気が流れる。冬の足音が聞こえ始めた季節。東の空にはオリオンが姿を見せ始めた。
    空虚になった心にも、その空気は流れ込んできて、身体から体温を奪っていった。

06:弱さを認めて
 場面:工藤邸。
 状況:平次を追い出した直後、発作が起こってドアにもたれる。
    音を聞かれてしまっただろうか?
    その場に蹲って、波が去るのを待つ。外から平次がドアを叩くこともなかった。
    「あーあ。ボロボロだね、名探偵」声に驚いて顔をあげると、階段の踊り場に翻る白いマント。
    「・・・KID!」「つまんないなぁ。オレを捕まえるんじゃなかったの? そんなんじゃ、いつまでも捕まえられないよ?」
    「・・・うっせー」反論しようにも、苦しくて言葉が出ない。
    「西の名探偵にも弱音を吐かないとはね・・・。名探偵の強がりにも頭が下がりますよ」
    とんと、新一の横へと舞い降りる。まったく体重を感じさせない動作だ。
    「嘲笑いに来たのか?」「ヤだなぁ。そんなわけないじゃん。敵情視察は怠らない主義なんでね」
    肩の止め具を外して、ふわりとマントを新一にかける。
    「あまり、自分を追い詰めないほうがいいぜ? 時には弱いトコ見せたっていいのに。人間なんだから」
    「・・・それは、出来ない約束だな」

07:握り締めた手を見つめて
 場面:新一の部屋
 状況:KIDが去ったあと。部屋に戻った新一を、また発作が襲う。
    戻ってしまうのか? コナンの姿に。また、戻るのか?
    ぐっと握り締めた手を見つめる。オレは工藤新一だ。江戸川コナンじゃない。小さくなってたまるか。
    こうなっては、ただひたすらに波が去るのを待つしか出来ないなんて、苦々しい。

08:ノイズ
 場面:工藤邸
 状況:志保からの電話。
    今日は天気が悪いせいか。やたらとノイズが入る・・・
    いや、ノイズじゃない。プツプツッと何か途切れるような音。これは・・・。盗聴器?
    今更、驚かないが。また、一通りチェックしないといけないようだ。
    志保との会話もどうでもいい話題に切り替えて、そこそこに電話を切る。
    パチンとテレビをつけて、音を誤魔化す。
    電話機に取り付けられている盗聴器は通話中の会話しか拾わない。
    そんなものを取り付けているくらいならば、他にも何らかの機器がある可能性は高い。
    本当に、まだ、終わりはやってこないのか?

09:孤立
 場面:帝丹高校
 状況:盗聴器を発見されたことに気付けば、相手も動かざるをえないだろう。
    隙を見せるためにもドアや窓に印をつけて学校へとやってきた。帰宅したときに結果が出る。
    相変わらず、教室では無表情を装う。
    新一がいなかった時間が長いから、教室内には新一がいようがいまいが、関係なく時間が過ぎていく。
    シカトにも似た状況だなと苦笑する。だが、その方が今の新一にはありがたい。
    人と関わることを拒絶するわけではないけれど。自分と関わることで巻き込まれる可能性があるというならば、排除せざるをえない。
    どうしても危険な状態が続くならば、それこそ自宅から一歩も出ないとか、警察に保護を求めるとか策はあるけれど。
    今のところは、まだ未知数すぎて、そこまで思い切れない。
    何より、ここには蘭がいる。
    関わりを絶つことを望みながら、蘭の安全を確かめずにはいられない。

10:開くことが無いように
 場面:帝丹高校続き
 状況:クラスメイトが駆け込んできて、蘭が倒れたと園子に伝える。
    園子は出て行こうとして、一瞬、ためらい、新一を振り返る。
    新一は耳を傾けつつも、外に向けた視線を動かさない。
    「新一君のせいでしょ! 責任取りなさいよ!」「オレには関係ない」「よく、そんな白々しいことが言えるわね!」
    頑なに閉ざした心。二度と開くことがないように、何重にもかけた鍵。
    「運転手でも呼び出して、お前が送っていけばいいだろ?」「・・・最低っ!!」
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