■ ■ ■ 紺碧 プロット
コナン→新一へと戻った後のこと。
テーマは「二律背反」(相等しい妥当性をもつ前提に立った2つの原理や推論がお互いに矛盾しあうこと)
「好きなんやろ? せやったら、なんで・・・」
「・・・好き、だからだ」
姿も戻ったし。組織もつぶした。
だが・・・。
解毒剤の副作用で、この先、まだどうなるか完全には保障がない。
哀も志保の体に戻って、博士共々、アメリカに渡り研究を続けている。
新一にもロスへと渡るよう言うけれど。
「蘭のそばにいたい」と日本に残ることを決めた。
近くにいないと、いざという時、対処が出来ないという志保に、「だったら、お前が日本に残れ」って。
でも、志保も「それは出来ない」と決裂。
新一は工藤邸に残り、学校へも通いだした。
でも、蘭には告白しておらず。
気まずい空気が流れていた。
00:曇った空
01:掴んだはずの未来
場面:病室。蘭が眠っている。
状況:組織を潰す最終決戦で、蘭は人質にされ、足に怪我をしてしまった。(傷が残るほどのものではない)
今は鎮痛剤を打っていて、眠っている。新一が横に付き添っていた。
そこに小五郎と英理がくる。廊下に出て話す。
病状を説明すると共に、新一は覚悟を決める。
「これ以上、蘭を巻き込むことはしません」と。
今回の組織は潰したが、同じような地下組織は世界中に五万とある。
この先、探偵をしていくならば、蘭はいつまで行っても『新一の弱点』であり続けることになる。
守れない自信がないわけではないけれど。危険な状況に置くわけにはいかない。
だから、サヨウナラだ。
新一は眠る蘭にそっと口付けをして、病室を後にした。
工藤新一に戻れば、組織を壊滅させれば、全てが元に戻ると思っていたけれど。
思い描いていた未来は、遠くに霞んでしまっていて。結局、掴み取ることなど出来なかった。
02:紡ぎだした別れの言葉
場面:蘭の退院後。工藤邸。
状況:退院した蘭の初登校。新一の家によって、一緒に学校へ行こうと誘う。
「・・・もう、ここへは来るな」「何、言ってるの?」
「怪我をして、懲りただろ? もう、オレには近付かないほうがいいぜ?」「私の気持ち、知ってるくせに」
「さぁ? 何のことだ?」
もう、あの頃には戻れないのだと知ってしまったから。
君には冷たく接するしかない。
泣き顔を見たくはなかったけれど。今ならまだ傷は浅い。
きちんと言わなければならない。「二度と、オレに関わるな」と。
03:塞がらない傷口
場面:蘭が去った後。
状況:出かけようとしていたところに電話がかかってくる。
電話に出ると、それは志保からだった。(志保は現在、アメリカにいる)
「体調はどう?」「まぁ、そこそこってところかな」「無理だけはしないでね」
解毒剤の副作用で、2人とも身体に変調をきたしている。この先、どうなるのかもわからない。
志保はジョディの助言もあって、研究のためにアメリカに渡っている。
「・・・蘭さんが羨ましいわ」
04:背負った罪
場面:警視庁。組織の事件の残務処理。
状況:学校が終わる時間を見計らってかかってきた電話は、目暮からのもの。
また証言を取りたいということで、高木が迎えに来ると言う。
覆面パトカーで警視庁に出向く。
「何度もすまんね、工藤君」「いいえ。元はと言えば僕が引き起こした事件ですから」
逮捕された者、命を落とした者、まだ逃亡中の者。それぞれに対して、新一には最後まで見届ける責任がある。
自分の未熟さから、引き伸ばしてしまっていた事件なのだから。
05:冷たい空を見上げて
場面:工藤邸。
状況:週末、平次が押しかけてきている。
新一は自分からは何も言わなかったが、蘭→和葉→平次と伝言リレーで事と次第を聞いてきた。
「是が非でも元の姿を取り戻したんは、姉ちゃんのためやなかったんか?」
「別に。誰のためでもない。オレ自身のためだ」>平次にも本心は言わない。
「・・・姉ちゃんのこと、好きやったんちゃうんか?」「・・・好きだからだ」
冷たい空気が流れる。冬の足音が聞こえ始めた季節。東の空にはオリオンが姿を見せ始めた。
空虚になった心にも、その空気は流れ込んできて、身体から体温を奪っていった。
06:弱さを認めて
場面:工藤邸。
状況:平次を追い出した直後、発作が起こってドアにもたれる。
音を聞かれてしまっただろうか?
その場に蹲って、波が去るのを待つ。外から平次がドアを叩くこともなかった。
「あーあ。ボロボロだね、名探偵」声に驚いて顔をあげると、階段の踊り場に翻る白いマント。
「・・・KID!」「つまんないなぁ。オレを捕まえるんじゃなかったの? そんなんじゃ、いつまでも捕まえられないよ?」
「・・・うっせー」反論しようにも、苦しくて言葉が出ない。
「西の名探偵にも弱音を吐かないとはね・・・。名探偵の強がりにも頭が下がりますよ」
とんと、新一の横へと舞い降りる。まったく体重を感じさせない動作だ。
「嘲笑いに来たのか?」「ヤだなぁ。そんなわけないじゃん。敵情視察は怠らない主義なんでね」
肩の止め具を外して、ふわりとマントを新一にかける。
「あまり、自分を追い詰めないほうがいいぜ? 時には弱いトコ見せたっていいのに。人間なんだから」
「・・・それは、出来ない約束だな」
07:握り締めた手を見つめて
場面:新一の部屋
状況:KIDが去ったあと。部屋に戻った新一を、また発作が襲う。
戻ってしまうのか? コナンの姿に。また、戻るのか?
ぐっと握り締めた手を見つめる。オレは工藤新一だ。江戸川コナンじゃない。小さくなってたまるか。
こうなっては、ただひたすらに波が去るのを待つしか出来ないなんて、苦々しい。
08:ノイズ
場面:工藤邸
状況:志保からの電話。
今日は天気が悪いせいか。やたらとノイズが入る・・・
いや、ノイズじゃない。プツプツッと何か途切れるような音。これは・・・。盗聴器?
今更、驚かないが。また、一通りチェックしないといけないようだ。
志保との会話もどうでもいい話題に切り替えて、そこそこに電話を切る。
パチンとテレビをつけて、音を誤魔化す。
電話機に取り付けられている盗聴器は通話中の会話しか拾わない。
そんなものを取り付けているくらいならば、他にも何らかの機器がある可能性は高い。
本当に、まだ、終わりはやってこないのか?
09:孤立
場面:帝丹高校
状況:盗聴器を発見されたことに気付けば、相手も動かざるをえないだろう。
隙を見せるためにもドアや窓に印をつけて学校へとやってきた。帰宅したときに結果が出る。
相変わらず、教室では無表情を装う。
新一がいなかった時間が長いから、教室内には新一がいようがいまいが、関係なく時間が過ぎていく。
シカトにも似た状況だなと苦笑する。だが、その方が今の新一にはありがたい。
人と関わることを拒絶するわけではないけれど。自分と関わることで巻き込まれる可能性があるというならば、排除せざるをえない。
どうしても危険な状態が続くならば、それこそ自宅から一歩も出ないとか、警察に保護を求めるとか策はあるけれど。
今のところは、まだ未知数すぎて、そこまで思い切れない。
何より、ここには蘭がいる。
関わりを絶つことを望みながら、蘭の安全を確かめずにはいられない。
10:開くことが無いように
場面:帝丹高校続き
状況:クラスメイトが駆け込んできて、蘭が倒れたと園子に伝える。
園子は出て行こうとして、一瞬、ためらい、新一を振り返る。
新一は耳を傾けつつも、外に向けた視線を動かさない。
「新一君のせいでしょ! 責任取りなさいよ!」「オレには関係ない」「よく、そんな白々しいことが言えるわね!」
頑なに閉ざした心。二度と開くことがないように、何重にもかけた鍵。
「運転手でも呼び出して、お前が送っていけばいいだろ?」「・・・最低っ!!」
テーマは「二律背反」(相等しい妥当性をもつ前提に立った2つの原理や推論がお互いに矛盾しあうこと)
「好きなんやろ? せやったら、なんで・・・」
「・・・好き、だからだ」
姿も戻ったし。組織もつぶした。
だが・・・。
解毒剤の副作用で、この先、まだどうなるか完全には保障がない。
哀も志保の体に戻って、博士共々、アメリカに渡り研究を続けている。
新一にもロスへと渡るよう言うけれど。
「蘭のそばにいたい」と日本に残ることを決めた。
近くにいないと、いざという時、対処が出来ないという志保に、「だったら、お前が日本に残れ」って。
でも、志保も「それは出来ない」と決裂。
新一は工藤邸に残り、学校へも通いだした。
でも、蘭には告白しておらず。
気まずい空気が流れていた。
00:曇った空
01:掴んだはずの未来
場面:病室。蘭が眠っている。
状況:組織を潰す最終決戦で、蘭は人質にされ、足に怪我をしてしまった。(傷が残るほどのものではない)
今は鎮痛剤を打っていて、眠っている。新一が横に付き添っていた。
そこに小五郎と英理がくる。廊下に出て話す。
病状を説明すると共に、新一は覚悟を決める。
「これ以上、蘭を巻き込むことはしません」と。
今回の組織は潰したが、同じような地下組織は世界中に五万とある。
この先、探偵をしていくならば、蘭はいつまで行っても『新一の弱点』であり続けることになる。
守れない自信がないわけではないけれど。危険な状況に置くわけにはいかない。
だから、サヨウナラだ。
新一は眠る蘭にそっと口付けをして、病室を後にした。
工藤新一に戻れば、組織を壊滅させれば、全てが元に戻ると思っていたけれど。
思い描いていた未来は、遠くに霞んでしまっていて。結局、掴み取ることなど出来なかった。
02:紡ぎだした別れの言葉
場面:蘭の退院後。工藤邸。
状況:退院した蘭の初登校。新一の家によって、一緒に学校へ行こうと誘う。
「・・・もう、ここへは来るな」「何、言ってるの?」
「怪我をして、懲りただろ? もう、オレには近付かないほうがいいぜ?」「私の気持ち、知ってるくせに」
「さぁ? 何のことだ?」
もう、あの頃には戻れないのだと知ってしまったから。
君には冷たく接するしかない。
泣き顔を見たくはなかったけれど。今ならまだ傷は浅い。
きちんと言わなければならない。「二度と、オレに関わるな」と。
03:塞がらない傷口
場面:蘭が去った後。
状況:出かけようとしていたところに電話がかかってくる。
電話に出ると、それは志保からだった。(志保は現在、アメリカにいる)
「体調はどう?」「まぁ、そこそこってところかな」「無理だけはしないでね」
解毒剤の副作用で、2人とも身体に変調をきたしている。この先、どうなるのかもわからない。
志保はジョディの助言もあって、研究のためにアメリカに渡っている。
「・・・蘭さんが羨ましいわ」
04:背負った罪
場面:警視庁。組織の事件の残務処理。
状況:学校が終わる時間を見計らってかかってきた電話は、目暮からのもの。
また証言を取りたいということで、高木が迎えに来ると言う。
覆面パトカーで警視庁に出向く。
「何度もすまんね、工藤君」「いいえ。元はと言えば僕が引き起こした事件ですから」
逮捕された者、命を落とした者、まだ逃亡中の者。それぞれに対して、新一には最後まで見届ける責任がある。
自分の未熟さから、引き伸ばしてしまっていた事件なのだから。
05:冷たい空を見上げて
場面:工藤邸。
状況:週末、平次が押しかけてきている。
新一は自分からは何も言わなかったが、蘭→和葉→平次と伝言リレーで事と次第を聞いてきた。
「是が非でも元の姿を取り戻したんは、姉ちゃんのためやなかったんか?」
「別に。誰のためでもない。オレ自身のためだ」>平次にも本心は言わない。
「・・・姉ちゃんのこと、好きやったんちゃうんか?」「・・・好きだからだ」
冷たい空気が流れる。冬の足音が聞こえ始めた季節。東の空にはオリオンが姿を見せ始めた。
空虚になった心にも、その空気は流れ込んできて、身体から体温を奪っていった。
06:弱さを認めて
場面:工藤邸。
状況:平次を追い出した直後、発作が起こってドアにもたれる。
音を聞かれてしまっただろうか?
その場に蹲って、波が去るのを待つ。外から平次がドアを叩くこともなかった。
「あーあ。ボロボロだね、名探偵」声に驚いて顔をあげると、階段の踊り場に翻る白いマント。
「・・・KID!」「つまんないなぁ。オレを捕まえるんじゃなかったの? そんなんじゃ、いつまでも捕まえられないよ?」
「・・・うっせー」反論しようにも、苦しくて言葉が出ない。
「西の名探偵にも弱音を吐かないとはね・・・。名探偵の強がりにも頭が下がりますよ」
とんと、新一の横へと舞い降りる。まったく体重を感じさせない動作だ。
「嘲笑いに来たのか?」「ヤだなぁ。そんなわけないじゃん。敵情視察は怠らない主義なんでね」
肩の止め具を外して、ふわりとマントを新一にかける。
「あまり、自分を追い詰めないほうがいいぜ? 時には弱いトコ見せたっていいのに。人間なんだから」
「・・・それは、出来ない約束だな」
07:握り締めた手を見つめて
場面:新一の部屋
状況:KIDが去ったあと。部屋に戻った新一を、また発作が襲う。
戻ってしまうのか? コナンの姿に。また、戻るのか?
ぐっと握り締めた手を見つめる。オレは工藤新一だ。江戸川コナンじゃない。小さくなってたまるか。
こうなっては、ただひたすらに波が去るのを待つしか出来ないなんて、苦々しい。
08:ノイズ
場面:工藤邸
状況:志保からの電話。
今日は天気が悪いせいか。やたらとノイズが入る・・・
いや、ノイズじゃない。プツプツッと何か途切れるような音。これは・・・。盗聴器?
今更、驚かないが。また、一通りチェックしないといけないようだ。
志保との会話もどうでもいい話題に切り替えて、そこそこに電話を切る。
パチンとテレビをつけて、音を誤魔化す。
電話機に取り付けられている盗聴器は通話中の会話しか拾わない。
そんなものを取り付けているくらいならば、他にも何らかの機器がある可能性は高い。
本当に、まだ、終わりはやってこないのか?
09:孤立
場面:帝丹高校
状況:盗聴器を発見されたことに気付けば、相手も動かざるをえないだろう。
隙を見せるためにもドアや窓に印をつけて学校へとやってきた。帰宅したときに結果が出る。
相変わらず、教室では無表情を装う。
新一がいなかった時間が長いから、教室内には新一がいようがいまいが、関係なく時間が過ぎていく。
シカトにも似た状況だなと苦笑する。だが、その方が今の新一にはありがたい。
人と関わることを拒絶するわけではないけれど。自分と関わることで巻き込まれる可能性があるというならば、排除せざるをえない。
どうしても危険な状態が続くならば、それこそ自宅から一歩も出ないとか、警察に保護を求めるとか策はあるけれど。
今のところは、まだ未知数すぎて、そこまで思い切れない。
何より、ここには蘭がいる。
関わりを絶つことを望みながら、蘭の安全を確かめずにはいられない。
10:開くことが無いように
場面:帝丹高校続き
状況:クラスメイトが駆け込んできて、蘭が倒れたと園子に伝える。
園子は出て行こうとして、一瞬、ためらい、新一を振り返る。
新一は耳を傾けつつも、外に向けた視線を動かさない。
「新一君のせいでしょ! 責任取りなさいよ!」「オレには関係ない」「よく、そんな白々しいことが言えるわね!」
頑なに閉ざした心。二度と開くことがないように、何重にもかけた鍵。
「運転手でも呼び出して、お前が送っていけばいいだろ?」「・・・最低っ!!」