2008.07.25 Friday

星降る夜に

At night when the star falls
starry night

http://luxin.blackcats.jp/stories/StarFall.Another.html


プラネタリウム+回収屋?

そんなノリで。
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2008.05.19 Monday

プラネタリウム(プロット)

名前候補:望、朔夜、更夜

・親に「受験受験!」と言われて、家から離れたところにある有名塾に通っている高校2年の女の子。
 クラスの他の子は、部活だ恋愛だと青春してるのに。あたしだけ灰色だなぁ。

・元々、もう少し田舎に住んでいた。中学3年の時に父の転勤で東京に来た。
 その時は教科書も違うし、進み具合も全然違ってて。授業についていけなくて慌てた。
 だけど今は、週に3日も塾に行かなきゃいけないほど落ち零れているわけじゃない。
 そんなにガリ勉やっていい大学に入って何になるんだろう?
 何のために勉強してるんだか。よくわからないまま受験対策の授業にあけくれている。

・塾が終わって駅までダッシュしないといけない。
 終電はもっとあとだけど、20時の電車に乗らないと、その先の乗換線がなくなっちゃうのだ。
 塾での友達への「さよなら」の言葉もそこそこに、「うわっ!」と慌てて走り出す。

・でも。体力はあまりなくて、途中でぜーはーと息切れ。
 ふと視線の端に、近道になる裏路地が目に入る。
 駅から塾に向かうときに、何度か通ったことがある。
 逆方向に行ってみたことはなかったけど。同じよね?
 家と家との間を縫っているから、街灯なんかはない。ちょっと薄暗いけど平気よね?

・幼少時代を田舎で暮らしたせいか、暗闇を恐れる気持ちは養われなかった。
 あ、一応、都会なんだから変質者とか心配したほうがいいのかな?
 なんて考えつつ路地を歩いていく。

・そのうち、気が付いたら見たことないところに来ていた。
 あれー? どこかで間違えた? まぁ、いいや。もう電車も間に合わない・・・。

・角を曲がると目の前に大きな満月。
 うわー、今日は満月かー!と暢気に考えていたけど。
 ちょっと待って。何かがおかしい。そうよ、サイズが変!

・月を見上げながら歩いていると、ふいに開けた空間に出た。>ARIAで言うカンポ?
 そこに、洋館が建っている。近付いて見ると「君のためのプラネタリウム」と書いてある。
 プラネタリウムには見えない・・・んですけど?

2008.05.19 Monday

プラネタリウム

「大切なこと、忘れていませんか?」
毎日の生活に追われて、貴方は何か大切なことを忘れていませんか?


http://www1.harenet.ne.jp/~max-2000/unsui.html
学歴・仕事・地位・名誉・財産・人脈・知識・・・数え上げればきりが無いほど大切なものは多いように思えます。でも、本当に大切なものはそんなにたくさんあるわけではないのです。
学歴もそれだけでは何の意味もありません。お金もいつかはなくなります。名誉や地位も、仕事も同じです。何も残らない。でもそれがわかっているから、なくさないように必死になるんですね。なくさないように無理もするんですね。欲や計算や、いろんなものにしがみついてしまうんです。しがみついていないと不安で仕方がないんですね。それは悪いことではないんです。生きていくためには仕方がないことなんです。
でも、命と良心は大切にしたいですね。家族と友人、きっと最後に残るのは、そのあたたかさと有り難さではないでしょうか。命を貪り、良心を捨ててしまったら、もう何も残りません。
本当に大切なものは、いつもあなたの中にあって、いつもあなたを支えてくれているものです。あなたにとって大切なものは、あなた以外の人にとっても大切なんです。あなたの中にあってあなたを支えてくれているもの、それに気づくことが本当に大切なことではないでしょうか。
大切なもの、見落としていませんか?大切なこと、忘れていませんか?大切なもの、大切にしていますか?




・満月の夜にだけ姿を現す、不思議なプラネタリウム
 そこの管理人:望(のぞむくん)


・迷い込んできた人は、椅子に座って宇宙を旅する間に、忘れていた大事なことを思い出す。
 最初の女子高生「あたしだって、子供の頃は夢を持ってたんだ」って。受験受験で忘れてた。

・また、気が付いたら全然違うところにいて、時間もほとんど経過していない。
 (特殊相対性理論ってとこですかね。光速で動いてるから時間軸がずれちゃう?)
  >タキオンでもいいけど。

・もう1回、同じところに行っても、そこには何も無い。(もしくは別のものが建ってる)


「霊感商法」のマスターのお店っぽいのかな?
あ、「ホリック」のゆー子さんの店か。「理由のある人だけ入ってこれる」ってやつ。


http://homepage3.nifty.com/planetarium/

2008.05.18 Sunday

星と君の11のお題

01君が君として、君であり続ける全てで
02星が願いを叶えます。星の願いを叶えるのは誰?
03星に祈りを君にぬくもり
04君と僕とで星屑革命
05星の輝きは君には劣る
06星降る夜のある一瞬
07満天の星を押し流す
08流星の雫は悲しみ
09雲で影になったとしても
10昼でも見える星
11神様はとても優しく残酷で

http://kokoko.ifdef.jp/

2008.04.24 Thursday

星屑の欠片

 咲いて
 散って
 生まれて消えて
 瞬いて
 誰にも知られずさらららら

 哭いて
 果てて
 おどけて揺れて
 またねって
 小さな輝きららららら

 満天の
 星空に
 紛れて消えて
 さようならきらり星のむこう

2007.03.03 Saturday

プラネタリウム

懐かしい。
僕は幼年期のほとんどの時間をプラネタリウムと天文台で過ごした。
両親は都内で会社を経営していたけれど、僕は所謂『おめかけさんの子供』というやつで、母の死後、父親に引き取られた。だが、継母は僕の存在を認めようとはせず、怒った祖父が隠居先の田舎へと連れて行ってくれた。元々、小さな町の大地主だったそうで、町の半分は祖父の名義になっているという噂すらある。母子家庭で慎ましく暮らしていた僕は、両手に余る小遣いなどもらっても使い道を知らなかったし、継母に睨まれて肩身の狭い思いをしながら暮らすくらいならば、野山を駆け回っている方が楽しかった。
隠居した祖父がかねてからの夢だった天文台を作ると言い出した時、当然ながら父は反対したという。確かに荒唐無稽なことだ。だが、結局、祖父が自分で稼いだ財産で何をしようと父には止めることができなかったそうだ。
僕が祖父の家に行ったころには、山の上に天文台とプラネタリウムがあった。眠い目をこすりながら、毎晩、祖父と夜空を眺めて過ごした。

2007.03.02 Friday

星関連のお題

http://www2.odn.ne.jp/~cdk64560/ginka.htm

星座に関する20のお題

01 天の北極
02 アルクトゥルス ☆1
03 春の大曲線 ☆2
04 天の川
05 プロキオン ☆3
06 百億歳の孤独
07 散開星団
08 三万光年の彼方
09 巨人星
10 遠い昔の光が届く
11 日食
12 夏の大三角 ☆4
13 南極老人星 ☆5
14 クレーター世界
15 超新星 ☆6
16 明けの明星
17 散光星雲
18 大銀河
19 青白き短命な星
20 水の惑星

☆1・・・牛飼い座の一等星
☆2・・・北斗七星の柄杓の柄のカーブ→アルクトゥルス→乙女座のスピカのカーブ
☆3・・・こいぬ座の一等星
☆4・・・こと座のベガ→わし座のアルタイル→白鳥座のデネブの三角形
☆5・・・りゅうこつ座のカノープス、中国の名前、幸福の星
☆6・・・星の大爆発





宇宙に関する20のお題

01 ガリレオの発見 ☆1
02 黒点
03 月を目指して
04 天文単位 ☆2
05 ボイジャー1号 ☆3
06 太陽コロナ
07 ブラックホール
08 濃硫酸の雲
09 冥王星までの距離
10 無重力
11 スペクトル ☆4
12 ケプラーの第一法則 ☆5
13 周期彗星
14 プロミネンス
15 磁気嵐
16 可視光線
17 ハッブル宇宙望遠鏡
18 宇宙ステーション
19 衛星トリトン 
20 天文台の夜

☆1・・・1610年、ガリレオは木星の衛星や太陽の黒点を観測した。
☆2・・・1天文単位は1億4960万km。これは太陽と地球の平均距離。
     ちなみにお題09の答えは約40天文単位(らしい)。
☆3・・・1977年に打ち上げられた惑星探索機。
☆4・・・電磁波を波長の違いによって分けたもの。
☆5・・・楕円軌道の法則ともいう。「惑星は太陽を一つの焦点とする楕円軌道を描く」
     とされる。ケプラーの法則は第三まである。詳しくは頭の良い人に聞こう!




宇宙飛行士な10のお題

01 いつか行くソラ
02 星に辿り着く道
03 APOLLO
04 月面着陸
05 諦められない夢と
06 天体望遠鏡を持って
07 夏の河原で描いた未来
08 無重力空間
09 発射台の朝
10 天空を駆けて飛ぼう

2007.03.01 Thursday

プラネタリウム 1案

 薄暗い夜道を僕は歩いていた。
 大学からの帰り道。教授がつかまらなくて、いつもよりも遅くなってしまった。
 腕時計を見ると、22時40分。今なら急げばまだ間に合う。閉店間際であの子には嫌がられるかもしれないけど、やっぱりあの子に会わないと一日が終わらない。
 ここから駅前までは10分はかかる。僕は少し歩調を速めた。

 僕が通う大学は、東京郊外に広大なキャンパスがある。大学の敷地だけで僕が生まれ育った小さな町がすっぽり入ってしまいそうだ。大学生になって2年目に入ったけれど、まだまだ未知の領域がたくさんある。新しい校舎はいいんだけど、古い校舎はパイプやケーブルが剥き出しになっていて、廊下も薄暗くて、入っていくことすら躊躇ってしまう。
 どうやら、一番古い『病院』と呼ばれている校舎は、その名の通り昔は病院だったそうで、この大学はその病院に端を発している。今でもそこは医学部に属しているから、理学部に属する僕は、今のところお世話にはなっていない。
 大学の最寄り駅から一駅移動したところに、僕はアパートを借りている。歩こうと思えばアパートまでも歩けない距離じゃない。僕の故郷で、駅と駅との間を歩こうなんて考えるバカはいないけど、こっちじゃ一駅と言っても、徒歩10分とかそんな程度でしかない。
 さすがに今日はもうくたくただ。こんな日は駅前のスターバックスで熱々のコーヒーを飲んで一息入れたい。
 コーヒーが目当てなのか、バイトの彼女が目当てなのか。自分でもよくわらからない。チェーン店のレシピ通りに作られるコーヒーは、誰が淹れても同じはずなんだけど。彼女に手渡された時には、もっと心に沁みる気がした。
 ん?
 あれれ?
 階段を上りきったところで、僕は足を止めた。
 東京は湾を埋め立てたりしているところだから漠然と平面だと思っていたけど、住んでみて初めて意外にアップダウンが多いことを知った。場所によっては計画的に整備されているところもあるけど、一本路地に入ると元々の土地をそのまま利用しているところが多い。
 近道をしようと、そんな裏路地に足を踏み入れたのが間違いだったのか。見慣れないところへ出てしまった。
 迷子というほどのものじゃない。感覚的にだけど、あっちの方向が駅だということはわかっている。一本ぐらいずれたとしても、進む方向さえ間違えなければ道路は必ずどこかへ繋がっているんだから。
 このまま歩いていけば、そのうちに線路沿いに出るだろうし、そこから駅を探すのは容易いことだ。
 僕は別段、心配することもなく思う方向へ歩いていった。遠回りになっているとしたら、閉店に間に合わないかもしれないけど。絶対に行かなければならないところというわけでもないし。それならそれでいいや。
 家と家との間を抜ける人が一人通れる程度の路地。家が密集しているというのは、こういうことを言うんだな。
 目のやりどころがなくて、ふっと空を見上げる。塀に切り取られた幅1メートルほどの小さな空。
 昔は空ばかり見ていたのに。いつ頃から空を見上げなくなったんだろう?
 東京の空は、お世辞にも青いとは言えない。夜だって1等星くらいしか見えないなんて許せない。
 僕は、本当の空を知っている。
 どこまでも蒼い空。夜は漆黒の闇に数多の星が満天を埋め尽くす。それが、本当の空だ。
 空に憧れて、今の道を進もうと決めたのに。今の自分ときたら、本当の空を見上げずに、誰かが集めてきたデータを集積するだけ。夢に近づいているんだか、遠ざかっているんだか。それすらよくわからない。
 道なりに進んで角を曲がると、正面の空に満月が姿を現した。
 ありえないくらいの大きさ。ほんのりと少し黄色っぽくて、クレーターの1つ1つまで見えそうな大きな月。実際に月が大きくなるはずもない。地球との距離が近づいたり遠ざかったりするから、少しは違いが出るけれど。そんな比ではない。
 ありえない。
 何だ、あの出鱈目な大きさは?
 建物に切り取られた箱庭の空いっぱいに広がった丸い月。
 その月の引力に惹かれるように、僕はふらふらと前へ出て行った。
 路地から車が通れるほどの道路に出た。
 その瞬間。月の下に古びた洋館が建っていた。月と並ぶ姿が恐ろしく似合っている。今まさに、目の前の扉を開け放ってドラキュラが出てきたって驚かないぞ。
 怖いもの見たさなのか。まだ引力が働いているのか。門の前まで近づいてしまう。
『君のためのプラネタリウム』
 普通ならば表札が掲げられている場所にあるプレートに目を奪われた。
 プラネタリウム?
 こんなところに、プラネタリウムなんてあったのか?
 改めて洋館を見上げる。
 プラネタリウムがあるような建物には見えない。洋館と言っても二階建ての高さしかない。どう見たって普通の家の造りだし、ドームらしいものも見えない。最近ではドーム天井に星を投影するのではなく、スクリーンにCGなんかで映画のように上映するスタイルのプラネタリウムだってある。
 館名のプレートの下に、小さく上映プログラムと上映時間が書かれている。
『Your Song:23時〜』
 ちょっと待て。23時からって、どんなところだよ?
 プラネタリウムといえば子供向けの内容が多いし、日中に開館されるのが普通だろう。常識的に考えても、あきらかにおかしい。どこに23時なんかからプラネタリウムを見ようなんて人間がいるんだ?
 その時間なら、本当の空にも星が出ているんだし、こんなところで贋物の星を見たってしかたがない。
 よくわからない。
 住んでる人以外が通ることなんてなさそうな住宅街に。しかも、こんな夜更けに上映しているプラネタリウムなんて。
 本当に、わからない。
 それでも。何故だろう?
 この扉を開けなければならないような。そんな義務感のようなものに突き動かされて、僕はその門の中へと入っていった。
 何をやってるんだろう?
 僕は駅前に行って、スターバックスでコーヒーを飲んで、あの子に会って・・・。
 そのはずだったのに。
 腕時計はすでに22時55分。今から急いだって閉店には間に合わない。
 はぁっ。
 もういい、それは諦めよう。
 ドアの前まで辿り着いたけれど、インターフォンらしきものがない。
 とりあえず、ノックしてみる。
 だが、反応はない。
 なんだか、からかわれているというか。狐に化かされているというか。なんだか、このドアを開けたら『ハズレ』とか看板が出ているんじゃないのかなんて、邪推してしまう。
 ゴクンと息をのんで、ドアを開けた。
「すみませーん」
 ドアの影からそおっと中を覗き込み、誰何の声をあげる。
 室内は照明がついていて明るい。玄関ホールと呼ぶに相応しい広い玄関は、洋風の外観と同じく洋風で、和風建築にあるようなたたきはなく、靴でそのまま入っていくようになっているようだ。
 正面に2階へと続く階段がある。
 なんだ?
 外観から計り知れる容積と、目の前に広がる間取りの計算が合わない。まるで空間が歪んでいるような。
 このドアが四次元ポケットにでもなっているのか?
「いらっしゃいませ」
 突然、声が聞こえてきて、びくりと身体を振るわせる。
 誰もいないんじゃないかと思い始めていた。異空間を覗き込んでしまったんじゃないかと。だから、聞こえてきた声が、目の前の事象は現実なんだと教えてくれた。
「あ、あの・・・」
 声がした方を見る。多分、階段の上からだ。
 見上げると、階段を誰かが下りてきた。
「当プラネタリウムへようこそ」
 諸手を広げて迎えてくれたのは。
 なんと、少年。小学生くらいだ。年齢はきっと一桁なんじゃないだろうか。
 面喰ってしまって、思わずよろめきそうになる。寸でのところで踏み止まって、えーっとと考える。
 やっぱり、ここは変だ。
 僕はやっぱり、パラレルワールドに紛れ込んでしまったんだ。
 一応は、常識的に生きてきたとは思うけど、僕だって子供の頃はSFだとか異世界だとか、そういったものを夢見たことがある。特に、僕が生まれ育った田舎の町には、異世界に繋がりそうな廃墟だとか、どこへ迷い込むかわからない小道だとか。そんなものが沢山あった。
 大人になるにしたがって、そんな世界が無いんだということを知る。どこまでが現実で、どこからが空想なのか。そういった境界線を知っていく。テレビで流されるのは、現実だけじゃなく、捻じ曲げられた事実であることだってある。
 そうやって夢を無くしていくんだ。
「・・・えっと・・・」
「ああ、そろそろ上映時間になりますね」
 少年は壁際に置かれた年代物の古時計を見ながら呟いた。その妙に大人びた言葉遣いが、彼の外見とのギャップを大きくする。
「さあ、ではプラネタリウムへどうぞ」
 階段をおりきった少年は、右手を差し伸べた。その先を見ると今までは気づかなかったけれどドアがあった。ぽてぽてと音が出そうな覚束ない足取りでドアまで歩くと、少年はそのドアを開けた。
 重そうなドア。本当にそこがプラネタリウムなら、音が漏れないように防音設備とかがあるはずだから、必然的にドアは厚くなる。
 ドアの向こうは薄暗くてよく見えない。
 改めてドアのところで、にっこりと笑っている少年を見る。間近で見ると、年齢不詳だ。身長が小さいからといって、小学生とは限らないのか。
 アリスが不思議の国に行くときは、ウサギが水先案内人だった。僕の水先案内人は、この少年と言うことか。
「あの・・・。お金は・・・?」
「ご心配には及びません。すでに御代はいただいております」
 え。それって・・・。
 何だ?
 まずいぞ。
 パラレルワールドじゃなくて、悪徳商法とかじゃないのか?
 何十万円もする壺を買わないと出してもらえないとか。このままここに監禁されるとか。
 頭の中にぐるぐると悪い考えばかりが浮かぶ。
「あっ・・・!」
 出た方がいいんじゃないか?
 危険信号のようなものを感じて振り返った時にはもう遅かった。ぽんっと軽く背を押されて、ぱたんと僕の後ろで扉が閉じた。
 目の前になったドアにぶつかりそうになって、瞬間的に目を閉じる。遅かった。
 そおっと室内を振り返る。
 だけど、そこにあったのは恐れていたものではなく、真っ当なプラネタリウムだった。ドーム型の天井。背もたれが倒れるようになっている椅子、星を投影するための装置。
 懐かしい。
 近くの町に、私設だが小さなプラネタリウムがあった。そこの町に本社を置く大企業の社長さんの道楽だとかで。あんな小さな町にプラネタリウムを作ったからって、そんなにお客さんが来るわけもない。だって、もう少し離れたところに公営のもっと大きなプラネタリウムがあったし、贋物の星を見るくらいならば、山の上にでも行って本物の星空を見上げる方がいい。
 だけど僕は、上映するプログラムが変わるごとにプラネタリウムに足を運んだ。その頃には社長を息子に譲って、プラネタリウムの館長になっていたおじさんとは、大の仲良しになった。
 おじさんの子供の頃の夢は、天文学者だったそうだ。でも、長男で一人息子でもある自分が家を継ぐしかなかったのだと。だから、こんなプラネタリウムを作って、夢を叶えたつもりになっているんだと笑った。
 ごつごつとした手で頭を撫でて、夢があるんだったら諦めるなよと言ってくれた。
 そうだ。おじさんがいたから、僕は自分の進む道を決めることができた。僕には継がなければならないような家もない。普通のサラリーマンの父と、普通の専業主婦の母がいるだけだ。
 僕が進みたいと思った分野は地元の大学には学部がなくて、その道に進むためには、東京とか大都市にある大きな大学へ行くしかなかった。
 あの町で生まれ育った人間は、半分は都会へと出て行って戻らない。だから、東京の大学へ行きたいと僕が告げた時、両親は一瞬だけ悲しそうな顔をした。次の瞬間には頑張れと激励の顔に変わったけれど。
「まもなく上映時間です」
 さっきの少年の声がスピーカーを通して聞こえてきた。はっと我に返って、並んでいる椅子の1つに座る。
 どうやら観客は自分ひとりらしい。
 久しぶりに思い出した。
 日々の授業と生活に追われ。何のために学ぶのか、何のためにここにいるのか。そんな大事なことを忘れていた。
 次第に室内は暗くなり、ドーム天井に映し出された人工的な星が瞬き始めた。


「君の話をしよう」
 少年の声が頭に響いた。
 グワーンと大きなハウリングがして、突然、どこかへ投げ出されたような感覚がした。
 何だ、これ?
 背もたれを倒して椅子に寝転んでいたはずなのに。背中を支えていた椅子が消失してしまったような感じ。
 ウォーターベッドに寝ているのとも違う。無重力というものを体験したことはないけど、多分、違うと思う。ちゃんと上下左右はわかっている。宇宙飛行士がスペースシャトルの中でやるようにぐるぐると回転してしまうようなこともない。
 ただ、ふわふわと身体が浮いているような感覚が、心地良いような気がする。
 何だ。何なんだ?
 いや。でも。
 僕は、多分、この感覚を知っている。
 どこで体験したんだ?
 ジェットコースターとも違うし、フリーフォールとも違うし。船も飛行機も乗ったことない。
 でも、確実に僕は知っている。
 まぁいい。とりあえずは流されてみるか。
 周囲を見渡す。
 それまでは人工的な明かりだった星が、宇宙空間の実映像に変わる。しかも、360度。前も後ろも。何かわからないけど、球体の中に放り込まれて、その球体の内側に映し出された映像を見ているような感じ。
 えっと。なんだっけ。バーチャルリアリティだっけ?
 一時話題になった、体感ゲーム。ああ、そんな感じか。そう考えればわかりやすいのか。
 僕は目の前の非現実的なことを、必死で自分の杓子定規に当てはめようとしていた。そうでもしないと、頭がついていけない。
 よくあるSF映画の宇宙空間みたいだ。銀河とか、星雲とか、星団とか。天体望遠鏡のレンズ越しにしか見ることができない世界。
 僕は今、その真っ只中にいる。
 宇宙空間に浮かんでいる。
 子供心に宇宙飛行士に憧れたこともあったけれど、そこまでの道のりがどんなに遠いものかということを今の僕ならば知っている。
 そこまで考えて、ハッとする。
 ちょっと待て。宇宙服を着てないぞ。
 あ、いや。その前に。ここは本当の宇宙じゃないんだった。
 ほら、だって。僕はちゃんと息だってしている。
 でも、さっきまで聞こえていた投影機の機械音は聞こえなかった。それどころか何も聞こえない。
 空気のない宇宙空間では音は聞こえない。音とは空気を振動させることで伝わるのだから。どんなに激しい爆発、それこそビッグバンが今まさに目の前で起こったとしても、何も聞こえないんだ。
 漆黒の闇に散らばる無数の光。このひとつひとつが、太陽と同じような恒星なんだ。
 こんなに沢山あるんだから、その中のどれかひとつに、地球と同じような惑星があったっておかしくない。あるはずだと思いたくなる気持ちがわかる。
 この広い宇宙の中で、生命が息づく星が、地球たったひとつだなんて。誰がそう思う?
 ひとりぼっちは淋しすぎる。地球外生命体を求めて旅立ったシャトルには、そんな想いが凝縮しているんだ。
 ロマンチストだって笑われるかもしれない。そんなロマンチストが沢山いたから、宇宙開発は進んだ。まだ見ぬ世界への憧れは、大航海時代のそれにも似ている。
「ここは地球から7000光年の彼方だ」
 何も聞こえないのに、少年の声だけは響いてくる。耳で聞いているんじゃない。頭の中に直接聞こえてきてるんだ。
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