2007.02.06 Tuesday

背中合わせの夜 プロット

■背徳プロット「背中合わせの夜」
私たちは、同じ罪を背負った咎人。「背徳」という名の甘美な蜜に酔いしれる、この世で最も幸せな罪人。

01.誰にも言えない(良)
誰にも言えない恋をした。
お隣さんで、幼馴染で、同業者で。数々の修羅場を共に乗り越えてきた戦友だ。
傷を舐めあっているだけなのかもしれない。
でも。死と隣り合わせの日々の中で。互いがいたから、今、ここにいることができている。
秘密を共有することで、慰めあっているだけなのかもしれないけれど。

02.恋人同士の逢瀬は、ほんの僅かな時間だけ(時)
学校帰り。突然降りだした雨に、近くのバス停の待合室に逃げ込んだ。
ハンカチで雨を拭っていると。「うわーっ! つめてー!」突然、良守が駆け込んできた。
待合室とは言っても、小さな屋根があるだけの建物。木造のベンチは二人並んで座れば、窮屈なくらい。
立ったままの良守にハンカチを差し出す。「風邪ひくわよ?」「・・・いらね」
学校では話しかけるなと言っているせいか。良守はじっと外を見つめたまま。
恋人と呼べる関係であるはずなのに。甘酸っぱさとは無縁の関係。
「・・・雨、止まないね」気まずくて、つい、声をかけてしまう。
けど。良守は雨足が弱まったのを見て、「俺、先行く」と駆け出して行ってしまう。

03.モラルに逆らうというリスク(良)
なんだよ、時音のヤツ。俺が学校で話しかけたって、無視するくせに。
雨に濡れた色っぽい状態で。こっちの我慢にも限度がある。
あのまま一緒になんていたら、人目を憚らずに襲っちまう。
夜の烏森学園。さすがに、会話をせずに済ますわけには行かない。
「良守、来たよ」「わかってる」あくまでも冷静な態度を崩さない。
それが悔しくて。仕事が終わった後、帰ろうとする時音を捕まえる。

04.ばれてはいけない(時)
学校の裏庭。木にもたれて抱き締められる。
「やっぱり、無理があるわよ」「関係ねーよ」両家の確執は、思いの他、根が深い。
繁守と時子も昔はもっと仲が良かったという話だけれども。
良守や時音に知らされていない、烏森の秘密と何か関係があるのだろうか?
越えてはいけない一線が、そこにあるのだろうか?

05.自分のものだと言えたら(良)
食堂で、向こうに時音が座る。どんなに距離があっても、視線の端に入ってくればわかる。
同じように田端が時音を見つけて騒ぐ。
「やっぱ、キレイだよなぁ・・・」好きという感じではなくて。高嶺の花に憧れているという感じ。
それでも、やはり良守は面白くない。
この場で。大声で「時音は俺の彼女なんだからな!」と叫ぶことが出来たらいいのに。

06.公衆の、無責任な言葉の針(時)
どうしても良守に話さなければならないことがあって、昼間の学校で声をかけて屋上に連れ出した。
(妖関連のこと。夜まで待てなかった)
それを見た男子生徒達が、中傷の言葉を良守にぶつける。
突然現れた、冴えない少年に、「何者だ」とか。良守は気にしていない風だけれども。時音の方が傷ついてしまう。

07.理解者(良)
たまに顔を出すだけの正守なのに。一瞬で、気付かれてしまった。
「満願成就したってわけだ」「別にそういうわけじゃ・・・」想いは通じたけれど。問題が多すぎる。
「おじいさん達は色々言うだろうけど。いいんじゃない? どうせ、もう、壊れてんだし」>また意味深な。
「・・・兄貴は不謹慎だって思う?」烏森のことが解決したわけでもないのに。色恋沙汰なんて。

08.いつか飽きられるかもしれないけれど(時)
日曜日。良守に呼び出される。電車で1時間ほど離れた街へ。
ここは大きな街だから、多分、知り合いにも会わないだろう。普通の恋人のように手を繋いで、並んで歩く。
中学三年生の頃から身長も伸びて。男らしくなった。子供っぽかった顔も随分と大人びた。
時々思う。自分は良守には不釣合いなんじゃないかと。
幼い頃から、一番近くにいたという理由だけで。恋をしていると思い込んでいるだけじゃないのかと。
いつの日か、広い世界に飛び出していって。本当の恋をするんじゃないかと。
眠る良守の背中の傷を手で撫でて。込み上げてくる不安をそっと隠した。
モノクロに暮れ行く外の景色。もう、帰らなくては。

09.逃がすものか(良)
このところ、時音がよそよそしい。避けられているのか。嫌われているのか。
強引過ぎるのは、自他共に認めるところだけれど。それだけが原因なのだろうか?
わかれて見回っていた時、強大な妖気を感じた。・・・これは。時音のいる方向じゃねーか。
校舎をぐるりと回ると、防戦一方になっている時音がいる。
アイツの結界じゃ、そうはもたない。「結っ!」さらに大きく囲んでから。
時音と妖の間合いに割り込む。火黒に比べたら、どんな妖も遅く感じる。
「そんな程度じゃ、正統継承者はやれないぜ?」
挑発して。ターゲットを自分に向ける。そのまま、時音から離れて危害が及ばないようにする。その上で、滅する。

10.好きです、何があっても。(時)
腕を怪我している良守を手当てする。
バカ。無茶したら承知しないって言ったじゃない。それなのに、結局これ?
成長してないんだから。
大事にしてくれるのは、嬉しい。
戦いの時。背中を預けられる人。必ず後ろにいて。力強く守ってくれる人。
バカだけど。純粋で。直向きで。誰よりも、透明な。
ああ、もう。認めるわよ。良守が好きよ。
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