■ ■ ■ 傷だらけの僕ら プロット5
23:追いつくためなら何だってする
神社での練習も欠かさずやってる。凪には「好きなんなら、部活に入ればいいのに」とか言われる。
そんなある日。修晃さんの車で、買物に出かけた。(凪も一緒です)
少し離れてるけど、この辺で一番大きな街へ。
途中でフットサル場を見つける。「へぇ。こんなとこにフットサル場なんかできたんだ」
車を止めてみていると、正式なチームっぽい感じじゃなくて。
ストバスのように、適当に集まった者同士で試合していた。
「・・・お前もやってこいよ」「え? いいよ。別に」「やりたそうな顔してるぞ」
「俺、試合から離れてるから、いきなりは無理だよ」「素人っぽいのもいるじゃないか」
「あたし、やってみたーい!」凪が言って、ひょいっと出て行く。
「あ、こら!」
結局、修晃さんと3人、混ぜてもらって一試合。
「俺たち、土曜の午後、ここで遊んでるから。暇だったらまた来いよ!」と誘われる。
「・・・いい練習になるんじゃないか?」修晃さんもそういって勧める。
24:秘密は必ず破られる
それから、フットサルをやった帰りにボールを蹴りながら駅まで向かい、家に帰るようになった。
その時、列車待ちの時間つぶしに駅前で、ダンスの練習している団体の横とかで、リフティングをやってた。
知らないうちに、誰かにそれを撮影されてて、ネットにあがってた。
フットサル仲間に教えられてびっくりするけど。俺だってわかるやつ、いるわけないよな。
そう思っていたある夜。
目の前に、翔がいた。
25:共鳴する心音
ポーンとイレギュラーバウンドしたボールが、周りを囲んでいたギャラリーの前に飛ぶ。
「あ、ごめん」慌てて駆け寄ろうとすると、ノートラップできっちりと自分のところへ返された。
目深にかぶったキャップの下に、同じ顔がある。
「!」
何も言わずに、航もボールを返す。翔からもまたきれいに返ってくる。
「すげー」と誰かが声をあげた。
返ってきたボールを、トラップすると、挑発するように右手で「来いよ」と合図する。
すっと翔が動いて、航のボールを取りにかかる。だが、そう簡単には渡さない。
ギャラリーが囃し立てる中、言葉も交わさずにボールを取り合った。
それだけで、互いに分かり合える気がした。
26:伝染する傷
「続けてたんなら、何で言ってくれなかったんだ」「俺とお前じゃ、もうレベルが違いすぎる」
「そんなの! 航だってまたちゃんと練習すれば・・・」「そうじゃない」
「・・・何、隠してる? 双子なんだ。それくらい、わかってる」
「話したところで、何も変わらない」「それでも! 俺にだけは話して!」
アキレス腱断裂のことを話す。
「お前が傷つかなくていい。俺は別にサッカーをやめたわけじゃない」
「でも・・・!」「サッカークラブの時ってさ、ぎすぎすしてただろ?
レギュラー争いもだし、大会での結果もだし、監督に怒鳴られて。
今、俺、楽しいんだ。こうやってボール蹴ってるのが、楽しくてしかたないんだ」
27:いくじなしはどっちだ
「怖いのか? また、怪我すんじゃないかって、びくついてるわけ?」
「・・・お前に何がわかる!」
「サッカーに怪我はつきものだ。そんなもの怖がっててどうすんだよ!
いつからそんな意気地なしになったんだよ!
世界中のゴールを二人で揺るがそうって言ったときの航はどこいったんだよ!」
普段は無口な翔が、一気にまくし立てた。
「・・・フィールドに戻ってきてくれよ」翔の懇願に負ける。
本当に戻れると確証ができるまで、言うつもりはなかったけど。
「必ず戻るから、もう少しだけ時間をくれ」「航!」
28:空白を埋める
久しぶりに二人で家に戻り、航のベッドに二人で潜りこんだ。
この二年を埋めるように。沢山の話をした。
「航が辛かったときに、俺・・・。ごめん」
「俺が翔には言わないでって頼んだんだ」「え?」
「だって。翔のせっかくのチャンスを、俺のせいで潰したくなかった」
「・・・でも。俺は航と一緒に戦いたかった」「別に、俺、戦ってないし」「怪我と戦ってるだろ」
「・・・だとしたら、お前、一緒に戦ってくれてたよ」「え?」
「あの夢、翔も覚えてるだろ? あの夢があったから、俺、今まで頑張れたんだ。
二人の夢、絶対に叶えたいって」「航・・・」
「だから。俺、まだ諦めちゃいないから」
神社での練習も欠かさずやってる。凪には「好きなんなら、部活に入ればいいのに」とか言われる。
そんなある日。修晃さんの車で、買物に出かけた。(凪も一緒です)
少し離れてるけど、この辺で一番大きな街へ。
途中でフットサル場を見つける。「へぇ。こんなとこにフットサル場なんかできたんだ」
車を止めてみていると、正式なチームっぽい感じじゃなくて。
ストバスのように、適当に集まった者同士で試合していた。
「・・・お前もやってこいよ」「え? いいよ。別に」「やりたそうな顔してるぞ」
「俺、試合から離れてるから、いきなりは無理だよ」「素人っぽいのもいるじゃないか」
「あたし、やってみたーい!」凪が言って、ひょいっと出て行く。
「あ、こら!」
結局、修晃さんと3人、混ぜてもらって一試合。
「俺たち、土曜の午後、ここで遊んでるから。暇だったらまた来いよ!」と誘われる。
「・・・いい練習になるんじゃないか?」修晃さんもそういって勧める。
24:秘密は必ず破られる
それから、フットサルをやった帰りにボールを蹴りながら駅まで向かい、家に帰るようになった。
その時、列車待ちの時間つぶしに駅前で、ダンスの練習している団体の横とかで、リフティングをやってた。
知らないうちに、誰かにそれを撮影されてて、ネットにあがってた。
フットサル仲間に教えられてびっくりするけど。俺だってわかるやつ、いるわけないよな。
そう思っていたある夜。
目の前に、翔がいた。
25:共鳴する心音
ポーンとイレギュラーバウンドしたボールが、周りを囲んでいたギャラリーの前に飛ぶ。
「あ、ごめん」慌てて駆け寄ろうとすると、ノートラップできっちりと自分のところへ返された。
目深にかぶったキャップの下に、同じ顔がある。
「!」
何も言わずに、航もボールを返す。翔からもまたきれいに返ってくる。
「すげー」と誰かが声をあげた。
返ってきたボールを、トラップすると、挑発するように右手で「来いよ」と合図する。
すっと翔が動いて、航のボールを取りにかかる。だが、そう簡単には渡さない。
ギャラリーが囃し立てる中、言葉も交わさずにボールを取り合った。
それだけで、互いに分かり合える気がした。
26:伝染する傷
「続けてたんなら、何で言ってくれなかったんだ」「俺とお前じゃ、もうレベルが違いすぎる」
「そんなの! 航だってまたちゃんと練習すれば・・・」「そうじゃない」
「・・・何、隠してる? 双子なんだ。それくらい、わかってる」
「話したところで、何も変わらない」「それでも! 俺にだけは話して!」
アキレス腱断裂のことを話す。
「お前が傷つかなくていい。俺は別にサッカーをやめたわけじゃない」
「でも・・・!」「サッカークラブの時ってさ、ぎすぎすしてただろ?
レギュラー争いもだし、大会での結果もだし、監督に怒鳴られて。
今、俺、楽しいんだ。こうやってボール蹴ってるのが、楽しくてしかたないんだ」
27:いくじなしはどっちだ
「怖いのか? また、怪我すんじゃないかって、びくついてるわけ?」
「・・・お前に何がわかる!」
「サッカーに怪我はつきものだ。そんなもの怖がっててどうすんだよ!
いつからそんな意気地なしになったんだよ!
世界中のゴールを二人で揺るがそうって言ったときの航はどこいったんだよ!」
普段は無口な翔が、一気にまくし立てた。
「・・・フィールドに戻ってきてくれよ」翔の懇願に負ける。
本当に戻れると確証ができるまで、言うつもりはなかったけど。
「必ず戻るから、もう少しだけ時間をくれ」「航!」
28:空白を埋める
久しぶりに二人で家に戻り、航のベッドに二人で潜りこんだ。
この二年を埋めるように。沢山の話をした。
「航が辛かったときに、俺・・・。ごめん」
「俺が翔には言わないでって頼んだんだ」「え?」
「だって。翔のせっかくのチャンスを、俺のせいで潰したくなかった」
「・・・でも。俺は航と一緒に戦いたかった」「別に、俺、戦ってないし」「怪我と戦ってるだろ」
「・・・だとしたら、お前、一緒に戦ってくれてたよ」「え?」
「あの夢、翔も覚えてるだろ? あの夢があったから、俺、今まで頑張れたんだ。
二人の夢、絶対に叶えたいって」「航・・・」
「だから。俺、まだ諦めちゃいないから」
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