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2008.07.07 Monday

傷だらけの僕ら プロット1

●プロローグ
01:遠雷はスタートの合図
三月の終わり。多分、今年最後になるだろう雪が降った。
雷は少しずつ遠ざかっていき、春の訪れが近いことを物語る。
翔は日課にしている自主トレに出かける。
今日、この町を出て行く。最後に生まれ育った風景を目に焼き付ける。
いつもの神社。幼い頃、初めてボールに触れたのは、この境内だった。
航と二人、毎日ここでボールを蹴っていたのに。
思い出の場所に行くと、そこには見知らぬ女の子。
でも、翔を見て逃げ出してしまった。
何だったんだろう? そう思いつつ、家に帰る。
朝食を食べて部屋に戻ると、机の上には服部神社の「サッカー御守」が置いてある。
航? 慌てて部屋を覗いても、そこに航の姿はなかった。
出発の時間になっても戻ってこなくて。諦めて電車に乗る。
隣町との境になる川。その堤防に、サッカーボールを持った航がいる。
あの約束、叶えられるときが来るよな? 信じていいんだよな?

02:素直になるための訣別
列車を見送って、ボールを蹴り出す。
二人で練習した神社に行くと、見知らぬ女の子がいる。
「ドッペルさん??」「は?」
ああ、翔も出発前にここに来たのか?
あんな別れ方をしてしまって、ゴメン。
双子だから。翔にだけは知られたくなくて。
でも、こうでもしないと翔はずっと俺のことを気にしてしまう。
せっかくの才能を、こんなところで燻ぶらせるなんて勿体ない。
俺も必ず追いかけるから。もう少しだけ時間をくれ。

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