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2008.07.24 Thursday

良時

書こうとしたものと、論点がずれたけど。
これはこれで。時→良かなと。いつか使えたらいいな。
 影宮君たちが烏森に来てからというもの、良守とは別行動することが多くなった。
 妖が現われれば、互いに駆け寄ってきて仕留めるのだけど。
 それ以外の時間を、私は一人で過ごしている。
 別に喧嘩をしてるとか、そういったことじゃない。
 ただ、良守が同年代の男の子と話しているのを見ていると、どこか安心する。それが裏会の子供だったとしても。
 良守も、そして多分、私も。
 幼い頃から大人の中で生きてきた。もちろん、子供の周囲に必ず大人がいるのは当たり前なのだけど。子供だけの時間をいうものを、ほとんど持たずにきた。
 それは正統継承者故のこと。
 子供ながらに仕事を持っていたから。仕事のためには修行を欠かすわけにはいかないし、夜の睡眠時間が削られるから、他で身体を休める時間も取らなければいけない。
 そのために犠牲になったのは『友達と遊ぶ時間』だった。
 近所の子供たちが歓声をあげながら、公園に向かって走っていく。塀の外の楽しそうな様子を窺いながら、家の中で修行をしていた。
 私自身、学校で仲良くなった友達に誘われて、一緒に遊びたかったのを我慢していた。
 父の遺志を継いで、立派な結界師になる。
 自分で決めたことだから、多少のことは我慢できた。
 でも、良守は。
 今でも正統継承者としての自覚はないし、趣味のケーキ作りも辞めようとしない。
 神様の気まぐれで自分の右手に現われた印を、苦々しく見つめていたのは一度や二度じゃない。

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