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2008.09.05 Friday

ゆずり葉

ゆずり葉(河井酔茗)

  子供達よ。
  これは、ゆずり葉の木です。
  このゆずり葉は
  新しい葉が出来ると
  入れ代わってふるい葉が落ちてしまうのです。

  こんなに厚い葉
  こんなに大きい葉でも
  新しい葉が出来ると無造作に落ちる
  新しい葉に命をゆずってー。
      
  子供達よ
  お前たちは何をほしがらないでも
  すべてのものがお前たちにゆずられるのです。
  太陽のめぐるかぎり
  ゆずられるものは絶えません
     
  かがやける大都会も
  そっくりお前たちがゆずり受けるのです。
  読みきれない書物も
  みんなお前たちの手に受け取るのです。
  幸福なる子供たちよ
  お前たちの手はまだ小さいけれどー。

  世のお父さん、お母さんたちは
  何一つ持ってゆかない。
  みんなお前たちにゆずってゆくために
  いのちあるもの、よいもの、うつくしいものを、
  一生懸命造ってます。
  
  今、お前たちは気が付かないけれど
  ひとりでに命は延びる。
  鳥のようにうたい、花のように笑っている間に
  気が付いていきます。
  
  そしたら子供たちよ。
  もう一度ゆずり葉の木の下に立って
  ゆずり葉を見るときが来るでしょう。

相沢楪(ゆずる)。
由来は「ゆずり葉」の詩。
年の離れた兄(柾・まさき)がいて、その兄が教科書に載っていた詩をみて、「これがいい」って命名。

兄は報道カメラマンになって海外の紛争地帯とか回ってた。
で。そこで銃弾に倒れた。
アトリエとして借りていた部屋を整理しに行って、昔、兄が撮っていた写真を見る。
そして、自分もカメラマンになろうと決意する・・・?

アトリエで過ごす時間が増えていく。
そんなある日、長身の男が部屋を訪ねてくる。
「ここ、柾の部屋じゃ・・・」
「え? あ、はい・・・。そうでした・・・けど。兄は亡くなりました」
「えっ?」
「1ヶ月ほど前になります。今は兄のものを少しずつ整理しながら、私が使ってます」
「・・・妹さん・・・、楪ちゃんだっけ?」
「そうです」
「柾から聞いてる。あ、俺、都築稜(つづきりょう)。柾とは中学からの腐れ縁」
柾も稜もバスケ部。稜はアメリカのNBAに所属。そのため、柾の死を知らなかった。
シーズンが終わって、久しぶりに帰国した(NBAシーズンは10月から4月なので、この話は5月後半?)。

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