■ ■ ■ タキオン
タキオンを用いたタイムマシンタキオンを用いたタイムマシン
第3回の話では、タイムトラベルはできるかできないかではなく、小さな(ミクロな)物体なら簡単だが、大きな(マクロな)物体なら難しいということであった。また短時間なら容易だが、長時間のタイムトラベルは難しいという話をした。人間とかコンピュータつきロボット(またはアンドロイド)は記憶があるために、タイムトラベルが難しいのである。しかし未来の記憶があるからこそ、競馬や株、宝くじで儲けられるのである。こんなタイムマシンの作り方の要点は、現在から未来を予測するという点にあった。今回は予測ではなく、情報自体を過去に送ることを考えてみよう。
未来の情報を知って大儲けするには、なにもタイムマシンに乗って、自分が過去に戻る必要はない。情報だけを送ればよいのである。つまり明日の情報を、時間を遡って今日に電話することができれば、それだけで大儲けとなるのである。さらにいえば、ロボットの作り方とか、その内部状態(記憶)といった情報を過去に送り、過去にロボットを組み立てれば、そのロボットは未来の意識を持っているので、自分は未来から来たと主張するであろう。つまりこれはタイムマシンであるといってもよい。要点は情報を未来から過去に送ることができれば、タイムマシンは可能になるのである。
その方法としてここではタキオンを用いたタイムマシンについて語ろう。タキオンとは光より速く走る粒子である。そんな粒子はまだ発見されていないが、その存在を否定することもできない。特殊相対論の制限により、光より速く走る粒子はないとされているが、そうではない。特殊相対論の要請とは、光速度より遅い粒子をいくら加速しても、光速を越えることはおろか、光速になることすらもできないというものである。というのは質量を持つ粒子を加速する為のエネルギーが、粒子の速度が光速に近づくと、際限もなく増大するからである。しかし、もともと光速より速く走っている粒子(タキオン)があるとすれば、それは特殊相対論には矛盾しない。タキオンを減速させるにはエネルギーを必要とし、光速以下に減速することは不可能なのである。つまりタキオンは決して静止することができない。つねに光速以上の速度で走っていなければならない。
さてタキオンがあるとしても、それが通常の粒子となんらかの相互作用をしなければ、そんなものはあってもないのと同じである。そこでタキオンは通常の粒子と相互作用はすると仮定しよう。さてタキオンを発生させて、それに情報を載せて火星に向けて送り、火星でそれをキャッチしたとする。ここで簡単のためにタキオンの速度は無限大であるとする。するとこちらで発した信号は火星で瞬時に受け取ることができる。しかし、これだけではタイムマシンでもなんでもない。信号を過去に送るには、火星ではなく高速で飛んでいるロケットに向けて発信する必要がある。ロケットでは信号を受け取り、それをわれわれに向かって再び送信する。するとその信号を、われわれは過去に受け取ることができる場合があるのである。
そのことをミンコフスキーの時空図を用いて説明しよう。図の縦軸は地球で見た時間座標、横軸は空間座標である。斜め45度の線は光の通る道筋(世界線)である。光速より遅いロケットの世界線も図に示してある。この時、ロケットの時間座標はロケットの世界線に平行であり、ロケットの空間座標は図に示したような、右上がりの線になる。原点を通る縦軸に私がいるとする。図の原点Oにおいて、私が無限大の速度をもつタキオンをロケットに向けて発射すると、それは地球時における同時刻Aでロケットに受け取られる。その信号を再び、ロケットから地球に向けて送る。するとその信号はロケット時における同時刻に地球に届くが、それはOではなく、それより過去であるBである。その理由は地球における同時刻とロケットの同時刻は、特殊相対論の効果により、異なるからである。このようにして、より高速のロケットを利用すればするほど、あるいはより遠方のロケットを利用すればするほど、過去に信号が送れる。
もっともタキオンが発見されたという確実な報告はない(見つけたと主張する報告はあるが)。またタキオンが本当に安定に存在するのか、そもそも空間を移動できるのかに関しても疑問はある。それにほんとうに未来の情報を知ることができれば、タイムパラドックスが発生する。明日の東急の株価が高いと聞いて、それを全部買い占めたとすれば、その行為が株価に影響を及ぼすであろう。なかなかうまい話はないのである。
第3回の話では、タイムトラベルはできるかできないかではなく、小さな(ミクロな)物体なら簡単だが、大きな(マクロな)物体なら難しいということであった。また短時間なら容易だが、長時間のタイムトラベルは難しいという話をした。人間とかコンピュータつきロボット(またはアンドロイド)は記憶があるために、タイムトラベルが難しいのである。しかし未来の記憶があるからこそ、競馬や株、宝くじで儲けられるのである。こんなタイムマシンの作り方の要点は、現在から未来を予測するという点にあった。今回は予測ではなく、情報自体を過去に送ることを考えてみよう。
未来の情報を知って大儲けするには、なにもタイムマシンに乗って、自分が過去に戻る必要はない。情報だけを送ればよいのである。つまり明日の情報を、時間を遡って今日に電話することができれば、それだけで大儲けとなるのである。さらにいえば、ロボットの作り方とか、その内部状態(記憶)といった情報を過去に送り、過去にロボットを組み立てれば、そのロボットは未来の意識を持っているので、自分は未来から来たと主張するであろう。つまりこれはタイムマシンであるといってもよい。要点は情報を未来から過去に送ることができれば、タイムマシンは可能になるのである。
その方法としてここではタキオンを用いたタイムマシンについて語ろう。タキオンとは光より速く走る粒子である。そんな粒子はまだ発見されていないが、その存在を否定することもできない。特殊相対論の制限により、光より速く走る粒子はないとされているが、そうではない。特殊相対論の要請とは、光速度より遅い粒子をいくら加速しても、光速を越えることはおろか、光速になることすらもできないというものである。というのは質量を持つ粒子を加速する為のエネルギーが、粒子の速度が光速に近づくと、際限もなく増大するからである。しかし、もともと光速より速く走っている粒子(タキオン)があるとすれば、それは特殊相対論には矛盾しない。タキオンを減速させるにはエネルギーを必要とし、光速以下に減速することは不可能なのである。つまりタキオンは決して静止することができない。つねに光速以上の速度で走っていなければならない。
さてタキオンがあるとしても、それが通常の粒子となんらかの相互作用をしなければ、そんなものはあってもないのと同じである。そこでタキオンは通常の粒子と相互作用はすると仮定しよう。さてタキオンを発生させて、それに情報を載せて火星に向けて送り、火星でそれをキャッチしたとする。ここで簡単のためにタキオンの速度は無限大であるとする。するとこちらで発した信号は火星で瞬時に受け取ることができる。しかし、これだけではタイムマシンでもなんでもない。信号を過去に送るには、火星ではなく高速で飛んでいるロケットに向けて発信する必要がある。ロケットでは信号を受け取り、それをわれわれに向かって再び送信する。するとその信号を、われわれは過去に受け取ることができる場合があるのである。
そのことをミンコフスキーの時空図を用いて説明しよう。図の縦軸は地球で見た時間座標、横軸は空間座標である。斜め45度の線は光の通る道筋(世界線)である。光速より遅いロケットの世界線も図に示してある。この時、ロケットの時間座標はロケットの世界線に平行であり、ロケットの空間座標は図に示したような、右上がりの線になる。原点を通る縦軸に私がいるとする。図の原点Oにおいて、私が無限大の速度をもつタキオンをロケットに向けて発射すると、それは地球時における同時刻Aでロケットに受け取られる。その信号を再び、ロケットから地球に向けて送る。するとその信号はロケット時における同時刻に地球に届くが、それはOではなく、それより過去であるBである。その理由は地球における同時刻とロケットの同時刻は、特殊相対論の効果により、異なるからである。このようにして、より高速のロケットを利用すればするほど、あるいはより遠方のロケットを利用すればするほど、過去に信号が送れる。
もっともタキオンが発見されたという確実な報告はない(見つけたと主張する報告はあるが)。またタキオンが本当に安定に存在するのか、そもそも空間を移動できるのかに関しても疑問はある。それにほんとうに未来の情報を知ることができれば、タイムパラドックスが発生する。明日の東急の株価が高いと聞いて、それを全部買い占めたとすれば、その行為が株価に影響を及ぼすであろう。なかなかうまい話はないのである。
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